「留学する前のイメージと実際に留学してみて気づいたこと、新たな発見」山下 真周(北京師範大学)

オンライン留学が決定する前までは中国の学園ドラマのような留学生活を思い描いていました。講義室での授業やグループディスカッションはもちろんのこと、放課後は課外活動など様々な学生活動が校内で賑わっているイメージを脳内に思い浮かべていました。

オンラインでの留学が決定してからは日本の大学のように全部ないし一部の授業はオンデマンド方式で行われるのではないかと思っていました。なぜなら、世界各国から生徒が集まっており、時差の問題が大きいと考えたからです。しかし、実際に始まってみると、全ての授業が北京時間を基準にリアルタイムで行われています。つまり、欧州の生徒たちは昼夜逆転の生活を送っていることになります。あるブルガリアの生徒は授業期間中日の出を見て睡眠に入り、起きたら日の入りのような生活をしていると聞きました。また他のあるメキシコの生徒は早朝4時から授業を受けているとのことでした。時差の存在により、履修科目が限られる点を挙げている生徒もいました。そのため、学校側は今学期から時差によりリアルタイムの受講が困難な生徒については、申請をすれば一部の授業を録画した授業動画で受講できるシステムが出来ました。みんな様々な問題や困難を乗り越えながら、授業を受けていると実感する日々です。それに比べ、日本は中国と1時間しか時差がないため、私は生活スタイルに大きな影響なく、オンライン授業を受講できています。

 

新たな発見

私は幸運なことに語学生の授業と本科生の授業の両方を経験することが出来ました。両者を比較した中で一番の大きな発見は、クラス雰囲気の差ではないかと思います。同じオンラインという授業形式ではありますが、全く異なる雰囲気を感じます。語学生の授業では、半年ないし一年の交換留学、大学に入るための予科生たちがほとんどです。限られた時間だからこそオンラインでも率先して自分の意見を発言する生徒が多く、クラスの雰囲気は活発的で賑やかな印象があります。一方、本科生の授業は、クラスメイト同士がコロナ前の対面授業などによりそれぞれに面識がある上、授業形態に慣れている比較的上級生(大学3.4年生)が受講しているため、落ち着いた雰囲気を感じます。その反面、率先して発言する生徒は少ないです。また本科授業では、先生方は生徒同士の交流を重要視する傾向があり、グループ課題を多く出し、生徒同士の交流のきっかけ作りを意識して授業が行われている気がします。