「9月レポート」刀禰 千春 (中央戏剧学院)

半年ほど前に奨学金を頂いて留学に行けることが決まり、また2ヶ月ほど前に自分が希望した大学で学べることも決まり、私は目前に迫っている留学生活に対して少しの緊張と不安と、大きな期待を抱いていました。しかし同時に、新型コロナウイルス蔓延の影響により実際に中国へ行けるかどうかについては望みが薄い状況でした。情報を待つ中で、何ができるのか、何を準備しても無駄に終わってしまうのではないかと暗い気持ちになることも少なくありませんでした。

そんな中で一つのモチベーションになり、有意義な時間を過ごせたのは「オンラインスピーチ交流会」での活動です。参加を希望する中国人学生と日本人学生でペアを組み、1ヶ月の交流・準備期間を経て、zoom上でスピーチ発表の交流を行うものでした。準備期間はペアの方とお互いのテスト期間に重なってしまい、正直もう少し交流できれば良かったと後悔しています。しかし雑談を楽しんだり、スピーチについて相談したり、この交流会がなければ出会えなかったであろう人と交流を持てたので、参加して良かったと思っています。交流会本番では皆さんのスピーチを聴き、自分のスピーチにはコメントを貰い、今後の学習をもっと頑張ろうと思える刺激になりました。

現在は留学の延期を決め、すっきりとした気持ちで来年の9月を待っています。準備期間が一年間に延び、今私が取り組んでいること、今後取り組みたいと思っていることについて以下に書きたいと思います。

まず一つは、HSK6級の取得に向けた勉強です。本当なら留学に行っている間の目標にしようと思っていましたが、一年延びるなら一年分の成長はできるところまでしておきたいと思い、取り組んでいます。私は中国語の技能の中で作文が苦手なので、6級の問題の最難関(だと私は思っています)である長文の要約問題を攻略するため、自分の好きなミュージカルや小説、漫画の物語を中国語で要約する練習をしています。楽しく、満足感もあるので一石二鳥です。他にも語彙力の重要さに改めて気づき、新しい単語や四字熟語などに注目して中国語の文章を読むようにしています。

二つ目に、中国についての情報収集です。「人民中国」や「日本と中国」などの情報誌を読んだり、「小红书」や「微博」のニュース記事を読んだりしています。祝日や訃報などのニュースをみると、中国やそこに住む人にとっての大事な日、偉大な人について知ることができ、とても興味深いです。

三つ目に、中国語を話す練習です。中国語の映画やドラマを観ると、耳が慣れるからか観る前よりも口をついて中国語が出やすくなるので、その勢いで中国語で独り言を延々と喋っています。幸い今はマスクをつけて外出するので、小さい声なら周りにも聞こえません。歩きながら独り言を喋るのもおすすめです。しかし、そうしていると自分の語彙が偏っていることに気がつきました。やはり人との会話は絶対に大切なので、今後は中国語ネイティブの友人と話したり、「Hello talk」や「Tandem」といった国際交流アプリの電話機能を使って話す力も向上させていきたいと思います。

来年中国に行けるようになっているかはまだ分かりませんが、行けても行けなくても、後悔しないような一年を過ごして留学に臨みたいと思います。