「社会人留学への挑戦」 大橋 謙太(対外経済貿易大学)

「2021年には絶対に中国へ行くことができるだろう」と、期待を膨らませながら退職のタイミングも決めていた私に、コロナウイルスの猛威は容赦無く現実を突きつけてきた。自分が思い描いていたキャリアプランも、このタイミングのズレで一瞬にして崩れ去った気がした。やはり現地に訪れ、「自分の目で中国を見て、学ぶ」ために社会人から中国語を学び、チャンスを頂けただけに、とても辛く、まだまだ道のりは険しい。

 

留学に向けた準備は社会人1年目の時に考え始め、社会人でも挑戦できそうなプログラムを探していたときに、この日中友好協会を知った。もちろん当時の中国文化に対する知識や語学力は皆無であったため、週に1回、仕事終わりに1時間のマンツーマンレッスンと寝る前の中国関連のYoutube鑑賞を1年間継続し、無事にHSK5級を取得することができた。この時には既に将来中国で働いているであろう自分自身を想像しながら勉強していたが故に、両親も中国語講師の方もかなり心配していたのを覚えている。今思えば、それほど中国文化にのめり込み、中国という国に対して計り知れない興味と期待を抱き始めていたのだと思う。

 

私は今回、オンライン留学を希望せずに延期することを決めた。まだ正式な連絡が大学から来てはいないが、恐らく1年程度だろうか。正直、今後1年間以上の延期が自分の中で許容される程現実は甘くは無いこと、自分の社会人としての将来設計の見直しをする必要があることは毎日考えている。しかしながら最後まで自分を奮い立たせているのは、僅かではあるが短期的なコロナ終焉の希望と、共に同じ困難に立ち向かっている学生の方、社会人の方がいらっしゃるためである。社会人の私に残された時間はそう多くは無いとは思っているが、この留学が全てでは無いという広い視野を持ちながらも、来る留学にはしっかりとこれからも準備していきたい。そしていずれどんな形であれ、中国と何かしらの形で携われるように、自分の信念は貫いていきたい。