「新しい土地で」小嶋涼香(北京語言大学 )

夏休みが終わり、新学期が始まった8月末から9月にかけて、私にとっては大きな変化の連続でした。

私は北京語言大学の本科生ですが、このたび交換生として4か月間、マカオにある大学へ派遣されることになりました。8月末には、北京語言大学で所属していたオーケストラ楽団の中国人の友人たちに感謝と別れのあいさつを伝え、マカオへ移動しました。「またすぐ戻ってくるよ」と伝えると、「寂しいけれど、私たちも頑張るからたくさん連絡を取ろうね。あなたが戻ってくるホルンの席はいつでも用意しているからね」と温かい言葉をかけてもらい、その時の気持ちを今も鮮明に覚えています。

北京語言大学 オーケストラ

マカオでは授業で主に繁体字が用いられており、まだ慣れていない私は正直戸惑うこともあります。しかし、これは繁体字を習得し、マカオ文化を直接体験できる貴重な機会でもあります。授業で使用される資料やスライドにも繁体字が使われており、「この漢字はこう対応しているのか」と日々小さな発見を重ねています。辞書が手放せない日々が続いていますが、数日間でも確実に進歩を実感でき、それに気づいたときはとても嬉しくなりました。日本語を母語とする者としての気づきに加え、これまで簡体字で学んできた立場からも多くの発見があり、毎日が新鮮です。

澳门城市大学の様子①

現在のマカオの大学では、一コマ3時間の授業制度が採られており、一度の授業で深く大きく学ぶため、毎日の予習と復習が欠かせません。3時間の授業の前に6時間の自習が必要なこともあり、ペンと過ごす時間が、まるで大親友と一緒にいるかのような心地になっています。

澳门城市大学の様子②

本来の専攻は国際経済貿易ですが、マカオ滞在中は専攻に沿った分野内である程度自由に時間割を組むことができ、特に印象深い科目として「微观经济学(ミクロ経済学)」と「中国音楽鑑賞」を履修しています。「微观经济学」では、機会コストの概念などを多角的に考える工夫がなされており、非常に密度の高い充実した授業です。

澳门城市大学の様子③

「中国音楽鑑賞」では、北京語言大学でオーケストラ楽団のホルンパートに所属していた経験を生かし、「中国語ではこう表現するのか」「古代楽器にはこんな偉大さがあるのか」といった新たな発見が一コマごとに詰まっています。留学生が私ひとりという環境の中で、次々と捲られていくスライド資料や、美しい音楽を鑑賞しながらその歴史を学ぶ時間は、まるで古代に訪れたかのような感覚で心に深く響きます。ひとり留学生の環境だからこそ、授業に集中でき、とても心に残る時間になっています。

澳门城市大学の部活動

これからもマカオでの生活を通じて、交友関係と視野を広げながら、大きく成長できるよう精一杯努めてまいります。