書がつづる友好と平和「中日韓書法名家友好揮毫会」を開催

2025年7月1日号 /

5月13日、「同書友好 共築和平(書がつづる友好と平和)」をテーマに、中国人民対外友好協会、中国国家画院、ならびに日韓の関係団体の共催による「中日韓書法名家友好揮毫会」が北京で開催されました。各主催者を代表して、中国人民対外友好協会の袁敏道副会長、中国国家画院の王青雲・党委副書記、日本書作院の星弘道理事長、韓国書道協会の金栄基会長にご出席いただき、それぞれよりご祝辞を賜りました。あわせて、中日韓3か国から、各国を代表する20名ほどの書道家の先生方にもご参加いただき、国を超えた書の交流が実現しました。

「中日韓書法名家友好揮毫会」が始まったのは、2020年にさかのぼります。当時は新型コロナウイルスの影響により人の移動が制限され、対面での交流が困難な状況にありました。そうした中でも中日韓の文化交流を絶やすまいと、弊会が中心となって本揮毫会を立ち上げました。以来、これまでに3回、オンライン形式で実施してまいりました。そして今回、弊会の招きにより、これまでオンライン上で交流を重ねてきた日韓の書道家の先生方に北京までお越しいただき、初めての対面形式による「中日韓書法名家友好揮毫会」を開催する運びとなりました。

袁敏道副会長は祝辞の中で、次のように述べました。
「地理的・文化的なつながりに加え、人的交流の面でも深い関係性を有する中日韓の3か国は、互いにとって極めて重要な隣国どうしです。今年はちょうど『2025―2026中日韓文化交流年』にあたります。これを機に、三国首脳の共通認識を土台として3か国が力を合わせ、さまざまな分野で文化交流と協力をより一層推進してくれることを期待しています。人と人との心が通い合うことで、三国の絆はさらに強くなります。私たちは文化交流を通じて、中日韓の友好関係の発展、地域の平和と安定、そしてさらなる繁栄に貢献していきたいと考えています」

今年はまた、世界反ファシズム戦争勝利80周年という節目の年でもあります。揮毫会では、各国の書道家の先生方が「平和と友好」をテーマに、思いのままに筆を走らせ、それぞれの個性と書風を存分に発揮されました。中日韓3か国の明るい未来を願って書かれた「天涯若比隣」「八法有道、友情無辺」「龍遊鳳集」などの書は、芸術作品であると同時に友好の〝種〟でもあります。揮毫会の締めくくりには、3か国の書道家の先生方が力を合わせて、篆書体で「同書友好 共築和平」と揮毫されました。卓越した筆遣いが見事に調和し、渾然一体となった、躍動感あふれる一幅の作品が仕上がりました。この「同書友好 共築和平」の書には、東アジア3か国の人々の平和に対する切なる願いが託されており、完成した作品には連帯への前向きなエネルギーがみなぎっています。完成の瞬間、場内には大きな拍手が沸き起こりました。

先ほどご紹介したとおり、本揮毫会はコロナ禍のさなか、弊会と日韓両国の関係団体が知恵を出し合い、新たな試みとして始めた交流活動です。今回は、オンラインから対面形式へと移行したことで、3か国の人々の間にある友好の絆がより一層深まりました。今後も私たちは、日本の友好団体の皆様と手を携えながら、既存の枠にとらわれることなく、常に新たな交流のかたちを模索し続けてまいります。そして、中日友好を支える大黒柱として、より多くの方々に私たちの友好交流活動に加わっていただけるよう、引き続き努力を重ねてまいりたいと考えています。

中日韓3か国の書道家の先生方が揮毫した作品と共に記念撮影