各地の日中交流ニュース

2025年10月1日号 /

舞鶴・但東で平和教育夏季研修を実施

兵庫県北兵庫日中友好協会

北兵庫日中友好協会(1976年結成 岡坂康正会長 会員10名)は、7月25日~26日に研修旅行を実施しました。

25日は京都府舞鶴市にある引揚記念館を訪問。記念館はユネスコ世界記憶遺産にも登録されています。展示を通して日本への苦難に満ちた引き揚げと筆舌に尽くしがたい旧ソ連領内の抑留生活の歴史を後世に伝え、平和の尊さを世界に発信しています。また、引揚桟橋にも立ち寄り帰国の第一歩を踏みしめた出来事を想起しました。

舞鶴市内に宿泊し、翌日は兵庫県豊岡市但東町へ移動。高橋コミュニティセンターにて満州開拓団について研修。満州からの生還者である高橋村満州開拓団遺族会会長と副会長のご子息より講話を聞かせていただきました。国策として行われた103世帯476人の旧満州国への入植、開拓農業の状況、旧ソ連軍の侵攻や暴徒による過酷な逃避行の様子、ホラン川への集団入水自決を決行し298人が亡くなった様子がよくわかりました。参加者は胸がいっぱいになりました。

講話後に殉難の碑を拝見させていただきました。若い女性や子供も多く亡くなっています。そこに刻まれている346名の一人一人の命の重みを感じました。講話や資料館での新聞等を通して、当時日本は戦争一色であったことを思い知り、同じ悲劇を繰り返してはいけないと強く思いました。

これからも日中の交流活動を休止してはなりません。日本と中国がこれからもよりよい関係性を保てるよう、粘り強く友好活動を継続していきます。

(事務局長 山本和正)

舞鶴港に面して復元された引揚桟橋の前で
髙橋コミュニティセンターで満州開拓団について学習

真夏の宇陀高原で、異文化交流を楽しもう!!

奈良県日中友好協会

奈良県日本中国友好協会では、8月30日(土)、31日(日)、奈良県大宇陀にある、浄土宗報恩寺さまをお借りして、中国を中心とした留学生、日本人学生、計17名と奈良県日中5名、計22名で、「真夏の宇陀高原で異文化交流を楽しもう」と題して、一泊二日の合宿を行った。

一日目は、お寺に15時に集合。オリエンテーションの後、近くの松山地区を探訪した。ここは江戸時代初期から続く街並みで、2006年には重要伝統的建造物保存地区に指定されている。その後は近所の温泉「あきのの湯」にて汗を流し、報恩寺に帰り、精進料理を頂いた。食事の場には、地元の方も数名参加頂き、会話を楽しみながら、楽しく交流を行った。

就寝は、男子は全員本堂にて、女子は3つの部屋で3~4人ずつで雑魚寝を楽しんだ。意外にも男子は静かに早めに就寝、女子は日付が変わるまでおしゃべりを楽しんでいたようだ。

翌日は6時20分に起床。ラジオ体操のあと、住職とともに読経、講話を伺った。仏教の歴史、インドと中国とのつながりを教示頂いた。質疑応答では、結構鋭い質問もあり、学生たちからも非常に有意義な時間との感想があった。

その後、裏山から太い竹を切り出し、竹を割って節を取り、流しそうめんの竹組を作る班と冷やしそうめんを作る班に別れ、全員で初体験の仕事に挑戦。流れて来るそうめんを賞味した。日常の喧騒から離れた山寺での流しそうめんの味はまた格別、大成功であった。

今回のこの事業は、奈良県在住外国人コミュニティ活動支援事業の認定を受け、県から多大なる支援をいただいた。来年も引き続き新しい企画を考え、地道な日中友好交流を続けていきたい。

(事務局 塩崎義郎)

集合写真
お経の説明
流しそうめんの味は格別!

第49回中国語夏期スクーリング
2日間の学習交流

長野県日中友好協会

8月23、24日、第49回中国語夏期スクーリングが長野市の長野ラジオ孔子学堂教室で行われ、34名が参加しました。受講生は初級、中級、上級の3クラスに分かれ、ベテラン講師の作成した特別テキストに則り、熱心に中国語学習に励みました。

開講式では長野ラジオ孔子学堂を代表して、布施正幸副会長、夏丹教授が「県下各地から大勢の方にお集まりいただき、この度第49回を迎えた夏期スクーリングを開催できたこと、感謝申し上げたい。中国語は中国理解の柱であり日中友好の架け橋。継続は力です。中国語三昧の2日間、熱心に学びレベルアップを図りましょう」と述べました。続いて、長野県日中友好協会の西堀正司会長と大月良則理事長から激励のあいさつをいただきました。5名の講師が紹介され、顧淑鳳講師より、「講師と受講生が力を合わせて有意義で楽しい2日間にしましょう」とのあいさつがあり、夏期スクーリングがスタートしました。

初級クラスは文法と作文、会話と発音矯正、中級は学んだ文法を使った会話、伝統文化とコミュニケーション習慣、中秋節にちなんだ蘇軾の漢詩、上級クラスは課文(テキスト)の読解、日本語への翻訳、文法の深堀り学習などに取り組みました。

恒例の交流懇親会には、石家荘市語学研修生の王炳欣さん、靳博文さんも参加し、日本語であいさつ、受講生に溶け込んで交流しました。恒例のビンゴゲームも和気あいあいとした雰囲気の中で大いに盛り上がりました。カラオケでは中国語の歌が次々と披露されました。

2日目はラジオ体操と、参加者三井由子さんの指導の下、太極拳と八段錦で身体をほぐし、英気を養って中国語の授業に入りました。各教室とも最後まで学びの熱意と集中力は衰えず、有意義な授業が行われました。上級クラスでは、ペットボトルを使った元宵節に飾るランタンづくりや中国茶も体験しました。また、漢服を着てカメラに収まる受講生たちの姿も見られました。閉講式では、夏丹先生の講評の後、各クラスの代表の感想発表が行われ、最後に参加者に修了証が贈られました。

49回を重ねる中国語夏期スクーリングは中国語を学ぶ者同士の交流の場となり相互に刺激しあう機会となりました。先生方の熱心な指導、熱気ある交流会、工夫を凝らした運営など、どれも参加者の皆さんに好評でした。

(長野県日中友好協会ラジオ孔子学堂事務局長 戸井田靜男)

スクーリング受講者と関係者の記念写真

2025年度定期総会行う
本部の宇都宮会長が講演

宮城県日中友好協会

協会設立75周年を迎え、宮城県日中の2025年度総会が8月30日午後、県民会館会議室で行われました。

第1部では佐々木謙会長のあいさつに続き、来賓の井上義久顧問、丁俊中東北地区学友会会長が祝辞を述べ、崔為磊新潟総領事、村井嘉浩県知事、郡和子仙台市長等からのメッセージが紹介されました。また江幡武前会長ら故人へ黙祷を捧げました。

議事では水戸雄二理事長、高橋安喜事務局長から活動報告、活動案、決算、予算案の説明、及び女性・青年・オンラインの各委員長からの報告がありました。また新任人事案の説明があり、いずれも承認されました。

第2部では「日中友好協会設立75周年」と題して、宇都宮徳一郎・(公社)日中友好協会会長の講演がありました。宇都宮会長は初めに宮城県との深い縁について述べ、さらに宮城県は文化、スポーツの分野で著名な人を輩出しており、中国とも共通項が多く、若い世代間の交流をより一層深めていくことができると指摘しました。

また〝日中友好は最大の安全保障である〟との祖父・宇都宮徳馬第3代会長の言葉に触れ、「こういう時代だからこそ、人類運命共同体の意識構築に尽力していきたい」と述べました。更に高齢化と会員減少の課題に触れ、自身の東京都日中の会長としての経験も紹介しながら、若い世代に様々な経験を積ませ、育てていくことの大切さを強調。あわせて質疑にも応えていただきました。

講演の後には記念撮影を行い、その後、懇親会も持たれました。

講演する本部の宇都宮会長
講演後の記念撮影

留学生と楽しむ仙台七夕
第33回浴衣着付体験会

宮城県日中友好協会女性委員会

仙台七夕まつりを留学生に楽しんでもらおうと、中心市街での開催3年目となる宮城県日中友好協会女性委員会第33回七夕浴衣着付体験会が、8月6日に東京エレクトロンホール宮城に集って盛大に開催されました。

開会にあたって留学生は、東北大、尚絅学院大、仙台大から約20名が参加。浴衣の着付けを体験した後、ミニチュアの七夕飾りの作成を体験。さらに、短冊に願い事を書いて大きな笹竹に飾り付け七夕気分を満喫しました。また、青年委員会有志による日中友好ソング「友好の翼」の合唱が花を添えました。

セレモニーでは来賓の髙橋仁仙台ユネスコ協会会長より、「古代中国から日本に伝わった七夕の由来を踏まえ日中友好の更なる交流を!」との祝辞をいただきました。参加者全員で記念撮影し、仙台七夕踊りを踊り交流を深め、アーケードの七夕飾り鑑賞に繰り出しました。

参加した留学生からは「あこがれの浴衣を着れて嬉しかった」「アーケードの綺麗な七夕飾りにびっくりしました」「楽しかった。また参加したいです」との声が寄せられました。

七夕浴衣体験会を通して、世代を超え国を超え人と人とが繋がる喜びあふれる一日となりました。

(女性委員会事務局長 鎌田菊江)

セレモニー後、参加者全員で記念撮影

定期総会・懇親会を実施しました

宮城県日中友好協会青年委員会

8月2日(土)に宮城県日中友好協会青年委員会の定期総会を行いました。本会は会員の友好と相互理解を深めつつ、日中両国青年の子々孫々未来永劫にわたる友好交流に貢献することを目的としていて、大学生から社会人まで幅広い年齢層で構成されています。今年5月の大学生訪中団OBも2名新しくメンバーに加わりました。定期総会後の懇親会では各々の中国との繋がりや訪中時の思い出話などに花を咲かせ、楽しい時間を過ごしました。

学生が現在学んでいることや考えていること、「こんなことを考えています」「あんなことをやってみたい」という多様なアイデアに触れると、自分自身の価値観がアップデートされ勉強になります。さらに、溢れるばかりのエネルギーとパワーに背中を押されます。また、社会人の皆さんとは職場では出会えない職種の方と繋がることができ、話が尽きないです。

定期総会の開催場所はいつもお世話になっている中国料理のお店「上海邨」。麻婆豆腐にお粥、餃子のスープ、胡麻団子など本場の中華料理に舌鼓を打ちながら、今年度の活動について確認することができました。

(青年委員会事務局長 馬場ひとみ)

「上海邨」の店内で行われた定期総会

月餅づくりで日中交流
オーブンから広がる輪

鹿児島県日中友好協会女性委員会

8月30日、鹿児島市国際交流センターの調理室において、月餅の手作りイベント「手工制作月餅」が開催され、鹿児島県日中友好協会女性委員会のメンバーも参加しました。

この催しは、中国で生まれ、鹿児島在住15年、鹿児島市内で中国語教室を主宰している滕詩佩さんが主催したものです。参加者は、生地をこね、餡を包み、模様をつけるなど、一つひとつの工程を楽しみながら取り組みました。

最後に卵黄を塗ってオーブンに入れると、こんがりとした美しい色に焼き上がり、会場は歓声に包まれました。

地元の高校生たちも先生と一緒に参加し、初めての月餅作りを楽しむ姿が見られました。焼き上がった月餅を口にした瞬間にはとびきりの笑顔があふれ、私たち女性委員会メンバーとの世代を超えた交流の場にもなりました。自分の手で月餅を作ったり、中秋節の由来を知ったりして、中国の伝統文化への理解が深まり、きっと思い出に残るひとときとなったのではないかと思います。

中国の伝統菓子を自分たちの手で作る体験を通じ、文化への理解がいっそう深まり、交流の輪も広がる貴重な機会となりました。

(委員長 天達美代子)

焼きたての月餅に大喜び
両手に月餅を持ち大満足!
先生をはさんでにっこり笑顔の高校生たち