初めての陝西省と、四川省訪問
・京都府日中友好協会
中国陝西省対外友好協会と1985年に締結の友好合作協定に基づき、隔年に相互訪問して今回は第17次訪問団。9月15日午後2時関空発の四川航空直行便で5時過ぎに西安空港着。便利になった。田中彰寿会長を団長とする訪問団8名は対外友好協会の出迎えを受け、写真芸術展開催地の安康市へ。秦嶺山脈南の陝西省に赴くのは全員初めて。高速道路で全長18㎞のアジア最長を含め幾つものトンネルを抜け約4時間で到着。ハイテク開発区に建つ市政府とスイス企業の合弁の26階建てホテルにチェックイン。漢代に漢中郡の役所が置かれていた「古い街」の予想が見事外れた。開発の波は安康市にも来ていた。
16日午前は安康市博物館で写真芸術展の開幕式、芸術展と博物館を参観後は、女性副市長が出席して市政府主催の昼食会。雨天続きによる増水のため観光の予定を変更し、芸術展に協力した市内唯一の国立大学である安康学院を訪問した。17日は、武候陵・祠がある漢中市勉県に向け、秦嶺山脈に沿って高速道路を西に。インター出口で勉県幹部の出迎えを受けた。
午後は外弁主任の案内で諸葛孔明を祭る陵・祠を見学。夜は副市長はじめ市政府幹部が出席して歓迎宴が催された。従来は観光を目的として訪問する市等では外事弁公室担当者であったが、今回は市政府幹部が対応してくれた。
18日は博物館と、市内を流れる漢水の川原を整備し市民の憩いの場である広大な公園を見学した。「漢の国名は、漢水からきている。漢水の水が蒸発して銀河となった」の伝承を聞き、旧制三校寮歌「銀漢空にさゆる時」の意味が理解できた。成都へ移動し、四川省外事弁公室、一心文化交流センターへ。迎賓路小学校では、武術や書画が授業の正課に取り入れられているようだった。観光・視察では三星堆博物館、杜甫廟、武候祠を訪ねて三千年の悠久の歴史、三国志と漢詩の世界に触れる旅となった。
(理事長 町野覚)
中国建国70周年を祝し
「日中 食の饗宴」開催
・福島県日中友好協会
福島県日中友好交流の集い2019は、10月5日、郡山市の緑水苑で県内各地より協会関係者のみならず留学生や太極拳愛好者、日本人配偶者等70名の参加者を集め、盛大に開催された。来賓には日中友好協会橋本逸男副会長と、郡山市の象徴である「一本の水路」をダンスの作品にして公演しているASAKA座の上田遥監督を招き、開会式を行った。
今年度の交流の集いは、建国70周年記念日中食の饗宴と銘打って、中国側の翡翠餃子の水餃子と生ラムを使った羊肉串、中華風サラダと、日本側の味噌と醤油を合わせた芋煮鍋、和風の鶏の唐揚げ、紫蘇おにぎりを日中共同作業で作り上げた。宇都宮市在住の宮郷暁東氏の二胡の演奏を聴きながら、同じ釜の飯を食べた後は、全員で太極拳と日中友好〇×クイズを楽しみ、最後には会場の中に隠された文字を見つける「たから探しゲーム」で盛り上った。
(事務局長 佐藤厚潮)
青春の荒浜ツアーとぶどう狩り
・宮城県日中友好協会
宮城県日中友好協会青年委員会(新沼光昭委員長)は、10月5日「日中友好仙台荒浜ツアー」を開催した。参加したのは中国人留学生とスタッフ総勢20人。ツアーは2011年3月11日に発生した東日本大震災の震災遺構として公開されている旧荒浜小学校見学と宮城県農業園芸センター(津波がきた施設)での果物狩り体験をしながら交流を図る企画。
旧荒浜小学校見学後、留学生からは「見学を通じて自然災害の怖さを覗くことができた。これらの経験を他の留学生にも伝えたい」という感想や震災当時のビデオを見て「津波で周囲の建物が流されている中で荒浜小学校が流されなかった建築技術は素晴らしい」との感想、「自然の力を再認識してこれからも防災の勉強に取り組んでいきたい」などの感想が聞かれた。
農業園芸センターではぶどう狩りと梨狩りを体験。スーパーに並んだ果物しか見たことがないという留学生たちは様々な説明をしてもらい実際に試食をしながら「甘いシャインマスカット」と「みずみずしいシャインマスカット」の見分け方を教えてもらった。その後、たくさんのぶどうの中から好みの味のぶどうを選んでそれぞれ狩った。参加した留学生たちは「農業マメ知識を学ぶことができて楽しかった。」とフレッシュな果物を土産に笑顔で帰途についた。
(青年委員会事務局長 吉澤千明)
第23回日中友好協会親善オープンゴルフ
・千葉県佐倉市日中友好協会
10月10日、この日は暑くもなく寒くもなく風もない最高の天気に恵まれた一日だった。今回はなんと89名もの参加をいただき、芝山ゴルフ場で親善ゴルフ大会を盛会に開催。24組でOUT、INに別れプレーを楽しんだ。ボールが思い通りに飛ばない、池に入った、OBになった…。あちらこちらで大きな声が飛んでいました。
表彰式では長谷川会長から、日頃の協会への活動支援のお礼と、10月21日から4泊5日で浙江省(寧波市中心)をめぐり、唐・宋の時代から海外貿易で栄え、遣唐使の頃から日本との往来が盛んだった日中国際交流原点の都市、中国四大仏教名山のひとつ、普陀山を今年は33名で訪問する、寧波市対外友好協会へ表敬訪問、寧波大学の先生・学生と親善交流会を行う等の説明があった。和気あいあい、日頃の忙しさを忘れて楽しんだ。
(会長 長谷川稔)
再編成3年目を迎え
日中友好奈良県サミット開催
・奈良県日中友好協会
9月14日、奈良市のリガーレ春日野において、奈良県日中友好協会主催「日中友好奈良県サミット」が開催された。日中交流の源である奈良県で活動する日中友好団体が一堂に会し、相互交流し、協力することで各団体の活動成果の高揚を期すことを目的とし、昨年初めて開催したもので今年が2回目になる。今回は5団体総勢38名の参加をいただき、各団体から貴重な成果発表があり、意義深い会議となった。会議に先立ち、奈良県知事公室の辻祥子課長より挨拶があり、また中国駐大阪総領事館より、李海浩副領事含め2名の参加、(公社)日中友好協会から大藪常務理事にも出席いただいた。
参加者からは、他の団体はどのような人が、どのような活動をしているかわかり親近感が持てた、など非常に高い評価の感想をいただくことができた。私たち奈良県日中はまだ再結成3年目の若い組織ではあるが、同じく日中友好の志をもつ団体と相互交流の場を皆様に提供し、「ご縁」を大切に、発展を目指す所存です。
(事務局次長 塩崎義郎)
秋晴れのブドウ園で
第21回友好交流の集い
・秋田県横手市日中友好協会
奥羽山脈や出羽山地に囲まれた秋田県横手市は、石坂洋次郎の名作「山と川のある町」の舞台となったこと
で知られるが、ブドウの産地でもある。横手市日中友好協会(齋藤雄太郎理事長)は9月15日、会員の小川豊治さんのブドウ園で、同市の企業に勤めている中国人技能実習生を招いて「第21回友好交流の集い」を開催した。齋藤理事長は「今日は7人の実習生をお迎えして本当にうれしい。こうして交流を続けるということはとても大事なこと。天候にも恵まれたのでブドウ狩りを楽しみながら良い思い出を作ってほしい」と話した。
女子の実習生7人は隣の湯沢市に住む後藤美樹さん(北京市出身)と共に参加。後藤さんは技能実習生の事前研修で日本語指導などを担当している。後藤さんが「実習生は今日の行事を楽しみにしてきました。このように全員がきれいにおめかしをして来たのです」と紹介し、一人ひとりがしっかりとした日本語で挨拶をすると拍手喝采。県日中女性委員会の石黒かほる会長も駆けつけた。広いブドウ棚にたわわに実る巨峰やシャインマスカットなどを目の当たりにし、実習生らは童心に返ったように歓声をあげていた。
(秋田県日中理事 古谷孝男)
建国70周年祝賀レセプション
孫総領事らと交流のひととき
・北海道日中友好協会
9月26日、札幌パークホテルにて、中華人民共和国駐札幌総領事館主催による「中華人民共和国成立70周年祝賀レセプション」が、開かれた。主催者を代表して 孫振勇総領事が祝賀の挨拶を述べ、次に北海道、岩手県、青森県知事がビデオメッセージを寄せ披露された。来賓を代表して青木道日中会長が祝賀の挨拶をした。
「今を遡る事70年前の1949年10月1日、毛沢東主席が中華人民共和国成立を宣言した。72年には、田中首相が訪中し、日本と中国の国交が正常化し、78年には日中平和友好条約が締結され、その年、鄧小平氏により改革・開放政策がスタートし、昨年40周年の年となり、今や中国は世界経済第2位の国になり、著しい発展をした。昨年は、李克強首相が日本を訪れ北海道にも滞在し又、来年の桜の咲くころには習近平国家主席が国賓として日本を訪れる話が有り、是非北海道へも足を延ばしてほしい」と話した。
600名を超える参加者。会場は、総領事夫妻と記念写真を撮ったり、各テーブルでは美味しい料理を堪能し、祝杯をあげる声が続き、道日中も札幌、小樽、石狩、岩見沢、釧路、恵庭、夕張、三笠、浦河、旭川の各地区協会の役員・会員が50名以上招待され、祝賀一杯のレセプションとなった。
(理事長 五島震二)
三重県日中
河南省の緑化事業視察
小宮副理事長ら。三重産ヒノキの輸出も提案
何かと話題の三重県日中友好協会が、河南省での日中緑化交流事業を視察した。長年、三重県(行政)や民間企業を河南省政府、地元企業と繋いできた取り組みと「次の一手」を紹介する。
9月18日~22日、三重県農林水産部の辻内氏、森林組合おわせの塩崎氏、鈴鹿木材株式会社の桑氏と小宮副理事長が、河南省信陽市光山県へ日中緑化交流事業の視察に訪れた。この事業は、同県の荒山荒地に植林を行い、土砂の流失を防止するとともに農地への水供給を安定化し、農業従事者の生活水準を向上させ、社会と経済の持続的発展を促進するため、2000年から始まったもので、日中民間緑化協力委員会資金に申請し実施された。17年度からの3年計画では、66ヘクタールに約18万本の植栽、それに伴う作業道や貯水池の建設等を予定し、毎年調査を行ってきた。
樹種は現地の生態環境を改善するために検討され、土砂の崩壊を防ぐ深根性の広葉杉、同じく土砂の流出を防ぐハナカイドウやモクセイ、他の苗木の成長を促すとともに生薬としても利用できるマメ科のエンジュなどが選ばれた。また将来保
育過程において発生する間伐材の利用など農業従事者の所得に資する経済林を兼ねた生態林の建設も行われた。地元の担当者は、本プロジェクトの関係者を温かく迎え入れてくれた。現地としても、土地の整備や苗の植え付け・管理等の雇用機会が与えられ感謝しているという。19年間、両国を繋いだ緑化事業であったが、基金残高が少なくなってきたため、新規事業の募集を行わないこととなる。
三重県と河南省は1986年11月19日から友好提携を結んでいる。今回の緑化事業視察の後、小宮副理事長は河南省人民対外友好協会と面談し、大学生や企業同士の交流を今後深めていきたいとの提案を受けた。
緑化事業に替わる緑化事業に替わる新たな交流活動を展開していきたい。今回中国を訪れた辻内氏、塩崎氏、桑氏は、三重県産の檜材を河南省へ輸出するビジネスも提案している。しかし、ビジネスをするには先ず関係性を確立する事が重要であると小宮副理事長は主張する。そのために当協会から提示できるものとして、県内の医療ツーリズムや観光旅行がある。緑化事業で築かれた絆をもとに、河南省側を三重に招待し、友好を深めた上で、双方の利益になるビジネスを行うべく、取り組みを進めていきたい。
長野県須坂市日中友好協会
8月10日~13日に訪中、本紙10月号でも紹介した長野県須坂市の中学生たちからピュアな感想文が届いた。一部生徒の本文抜粋で掲載する。
私がとても心に残っていることは、四平市への訪問と万里の長城、中華料理についてです。四平
市の訪問では、市内の第三中学校の人たちと学生交流をしたあと四平市規画館視察をしました。学生交流では中学校の校舎を見学しました。中国では小学校と中学校が分かれていないことに驚きました。(中略)その後、ホールのような場所で中学生と先生方が日本の桜をイメージしたダンス、琴、楽器での演奏、合唱を披露してくれました。日本の曲を演奏していただくなどとってもすごかったです。
次に私たちの自己紹介をして、「ジャスミン」という日本でも知られている曲と信濃の国を歌いました。緊張したけどしっかり歌えて良かったです。(中略)万里の長城では、ロープウェイで上の方まで登りました。今回私たちが行ったコースは、トランプさんコースだそうです。万里の長城は遊牧民の侵入を防ぐために作られ全長8851・8㎞もあります。とても長いことは知っていたけど、実際行ってみると本当にお
わりが見えなくて壮大さが伝わりました。中華料理は、日本でも食べられるけれどやっぱり本場の味が違いました。とても油っぽかったけれどおいしかったです。北京ダックを初めて食べて、意外とアヒルのお肉が美味しいことに驚きました。日本では食べられない物を食べることができ幸せでした。
(常盤中学校3年 豊原光優)
8月10日、三木須坂市長を総団長とした友好訪問団一行22名は、成田空港から朝早く大連へ出発しました。大連到着後高速鉄道に乗りました。四平に行くのに、丸一日かかりました。(中略) 2日目は、四平市人民政府へ表敬訪問をしました。その折に、四平市の郭市長から歓迎のご挨拶をいただきました。三木市長も、須坂市と四平市との友好都市締結25周年に当たり、この友好国の研修が、国際化、青少年の健全育成、文化、教育、経済、観光などの振興に、とても有効であると称賛されました。
3日間の日程で、最も心に残ったのは、四平市第三中学校の生徒の皆さんとの友好活動です。いろいろな発表を準備してくださり、大変うれしかったです。私は自己紹介の通訳をやらせていただきましたが、少しでも両国の
架け橋となることができました。中国の皆さんと一緒に歌った「茉莉花」の歌も忘れられません。
(相森中学校2年 王鉅琦)
技能実習生らと
ポンポコ山で交流
・秋田県能代市日中友好協会
秋田県・能代市日中友好協会(中田栄喜会長)による「中国人技能実習生との友好交流会」が8月25日、同市近隣のポンポコ山公園で開催された。同市や周辺の企業で研鑽を積んでいる中国人技能実習生のほかベトナム人実習生も参加し、会員や企業経営者らと合わせて約120人が交流を楽しんだ。
信太武副会長が、日本社会で実習生は大切な人材であることを伝え、「交流会は今年で15回目。大いに楽しんで良い思い出を作ってほしい」と挨拶した。当日は朝から晴れわたり、緑がまぶしく映える公園の芝の上に数カ所設置されたコースで実習生らはグランドゴルフに挑戦。最初はおぼつかない様子だったが、次第に自信がついたように元気にプレーに興じていた。
昼食はバーベキュー。遼寧省出身の張艶萍さん(40)は「みんなで楽しくスポーツやバーベキューを体験できてうれしい」と喜び、自分の古里では羊肉の串焼きをよく食べると語った。張さんは最初の技能実習を終えて帰国してから再び来日、2度目の実習に取り組んでいるとのこと。昼食後に広場の芝生でスイカ割りが行われると終始実習生の歓声に包まれた。
(県日中理事 古谷孝男)
留学生と一緒に農業体験
稲刈り、栗拾い、野菜の収穫!
・宮城県富谷市日中友好協会
宮城県富谷市日中友好協会では、9月22日に留学生と一緒に稲刈りをして交流した。農業体験をしたいという留学生からの希望があり企画した。会員の松田さんの田んぼを借りて実現。当日は在仙の留学生12人と、吉林省出身で県庁で研修中の人も参加、会員や農家関係者合わせて20人ほどの会になった。松田さんは機械で大部分を刈り取ったが、留学生のために、手刈りの稲を残しておいてくれた。鎌を持ち、珍しくなった手刈りを体験、その後稲わらで縛って、はぜに掛ける。写真のはぜは、東北地方ならではの掛け方。コンバインで乾燥までさせたものと、天日に干した米の味は全然違う。
稲刈りの他に、近くの畑で野菜の収穫をしたり、栗拾いをしたり、農家の仕事を、思いがけず、たくさん体験することができた。稲刈りの後は、宮城の風物詩「芋煮」とおにぎりで昼食。互いに自己紹介し、交流した。以下、留学生の感想。「今日初めて栗の木を見ました。栗拾いがとても楽しかったです。都会に住んでる私にとって、実際に畑に行って農作業をやるのは珍しくて、とても貴重な体験でした。そして、農業者と話をしているうちに、農協の仕組みヘの理解をより一層深めました。美味しいお米を作ってくれるすべての農業者たちに心から感謝の意を表します」
(富谷市日中友好協会事務局長 横山弥生)
「第7回禹王サミット」盛況
古代ロマンへのいざない
本誌編集部レポート
10月19日、20日の両日、治水神・禹王研究会が主宰の「第7回禹王サミット」が岐阜県海津市で開催され、本紙編集部も出席した。
夏王朝を開いたとされる伝説の王・禹王。荒れ狂う黄河を収めることに成功し、治水の神として崇められ、その信仰は海を渡って日本各地に根づいた。
今年は伊勢湾台風60周年に当たり、同サミットではこの海津市周辺が受けた被害の実態や、治水の歴史、「輪中」と呼ばれる独特な堤防などについて報告がなされ、パネルディスカッションも行われた。折しも台風19号が猛威を奮い各地に甚大な被害をもたらした直後の開催。改めて治水の難しさと重要さを実感させられた。
会場となった海津市文化センターに隣接する歴史民俗資料館では、サミットに合わせて禹王をめぐる企画展を実施中(11月24日まで)。謎が多い禹王の一端に触れ、古代ロマンにしばし浸った。各地に点在する禹王遺跡を訪ねて旅をするのもいい。本紙ではこのテーマで来年連載を準備中。乞うご期待。