子女不知父母心

6月1日は国際児童デー、中国でいう子供の日だ。4歳になった息子は、日本と中国両方の祝日を過ごしている。生活拠点は日本のため、できるだけ中国の文化に触れて欲しいという思いから、生まれて間もない頃から機会があると自分のステージや中国節など中国文化に触れられるイベントにも連れて行っている。

1歳の時にはテレビの中で変面をしている私の姿に強い興味を持って「爸爸(パパ)」と認識し拍手喝采で応援。

またある時は私がステージ挨拶をしている時にハイハイでステージに上がってきて、自分までスポットライトを浴びてご満悦している事もあった。

スポットライトを浴びてご満悦

育っていくに連れて、扇子や舞台道具、CCTVの正月番組で映る獅子舞や京劇の立ち回り等にもジーッと興味深く眺めていた。自分で扇子をパタパタ振り回し、変わらない顔で懸命に「変面ショー」を見せてくれたこともある。

「彼は芸能に興味があるかもしれない」そう思って私も嬉しくなり、様々なお面や役柄を説明したり、身体の柔軟力を上げる訓練を始めてみたりした。

身体の柔軟力を上げる訓練中

が、最近はどうやら様子が違う。興味があるものといえば、恐竜か動物、You Tubeのアニメなどその年相応の物に夢中だ。たまに「パパ、中国獅子のTV見ようよ」と言って興味を示したかと思うと、それはTVの電源をつけさせる為の口実で、すぐにYou Tubeの好きなチャンネルに切り変えるという技も使ってきたりする。

5~6月は3年ぶりに中国の実家に連れて帰る機会ができる。将来は文化芸術関係に携わってほしいという親の淡い期待が届くかわからないが、自分自身でリアルな中国の生活、文化、人情を肌で感じ、日中両国其々の良い所を感じて、逞しく育って欲しい。

文◎王文強(おう・ぶんきょう 変面役者)