友あり遠方より来たる また楽しからずや

2023年7月1日号 /

待ちに待った日がやってきた。

2020年以降新型コロナウイルスの蔓延で海外渡航が難しくなり、日本にすら帰れない日が続いた。こちらに住む我々は大陸内移動は感染が拡大している地域を除けば概ねその土地での感染対策ルールに従えば隔離などの制限なく移動ができたが、海を超えた香港などの地域に関しては最近まで隔離やPCR検査陰性証明書提示などの措置が取られてきた。

この状況になる前後で上海駐在中に仲良くなった友人が2人ほど香港に住むことになり「近いからすぐ会いに行けるね」などと話していたのだが、現実はなかなか厳しく、滞在中の検査や制限やフライト代などを考えるとこの3年ほど二の足を踏んでいた。

そして2023年春。この頃には大陸住む日本人は居留証を持ち、過去7日以内に外国に出ていなければPCR検査が不要となり、渡航に際して事前の準備が必要なくなった。フライトも以前に比べると格段に安くなり、ここぞとばかりに香港へと旅立った。

 

香港旅行は4度目であるが、今回は友人2人が入れ替わりで出迎えから見送りまで案内してくれた。黄大仙祠でお参りの作法を教えてもらったり、煲仔飯(土鍋炊き込みご飯)や焼味と呼ばれる叉焼、焼鵝(ガチョウ)、脆皮焼肉(皮をパリパリにした豚バラ肉)など食べてみたかった本場の美味しい香港グルメを堪能させてもらった。

パワースポットの一つ 黄大仙祠

煲仔飯を初体験

また、高層ホテルのレストランで香港の街並みを眺めながらの食事などラグジュアリーな体験も。足を伸ばして香港島の南に位置する海辺の街、スタンレー(赤柱)にも行き、彼女たちのガイドのおかげで思う存分満喫することができた。

九龍リッツカールトンから見下ろす香港の街並み

香港といえば夜景

それ以上に、オンラインで連絡は取り合っているものの久々に対面で色々な話ができ、数年分の積もる話を一気にできたことはこの旅一番の収穫だった。

古来より『有朋自远方来 不亦乐乎』という言葉がある。遠方より来たる友を迎えるのも楽しいが、遠方にいる友を訪れるのもまた、楽しからずや。

(茂木美保子@上海)