アイスクリームいろいろ

2022年9月1日号 /

暑い。

上海の夏は毎年暑い暑いと言いながら過ぎていくが、今年は殊更暑く、7月には観測史上最高の40・9度を叩き出した。体感気温は+10度になる事も多く、体感気温50度を示す日も連日続く。外を歩くと日が当たってないのに肌がジリジリして少しずつ低温調理されている気分になるし、身体中から汗が出てヌルヌルする。今年は都市封鎖の影響もあり、外を歩いていてもマスク必須なので尚更である。

普段、お腹が弱いため冷たい物は夏でも控えているが、さすがに今年はアイスが食べたくなる。なんとなく中国では夏でもレストランで出される水は常温又はお湯、ビールも常温と身体を冷やさないイメージがあるが、ここ数年上海ではアイスが人気で毎年色々なところで「映える」商品が登場している。

楽しいのは、上海に限らないが中国の観光地などで販売されている名所を象ったご当地アイス。私が最初に食べたのは北京の天壇公園。お値段28元(約500円)と大きさの割に高級アイスだがこれを片手に祈年殿と楽しそうに写真を撮っているのを見るとスマホ決済する指の動きも軽くなる。

天壇公園の祈年殿と記念撮影

 

もちろん人気写真スポット武康大楼型のアイスなど上海でもご当地アイスは楽しめる。アイスとは言え精巧に象られていて、食べるのがもったいないくらいだ。見た目だけでなく美味しく、話の種にもなって満足度は高い。

形がそっくりで食べるのがもったいない

 

上海っぽくて面白いと思ったのは葱油拌面味のアイス。葱油拌面は茹でた麺に葱油と醤油をかけたシンプルな混ぜ麺で上海の名物。これがアイスになるとどうなるのかと思ったが、食べてみるとアイスの甘味と共に葱油の香ばしさ、醤油の塩気が融合して甘じょっぱくて何とも美味しい。トッピングされた揚げた葱と麺で本物の香ばしさが思い出される。

 

9月の声が聞こえると上海もだいぶ暑さは緩み、ここから国慶節あたりまでが1番出かけやすい時期になる。中秋節・国慶節と大型連休も控えているので過ぎゆく秋を存分に楽しみたい。

(茂木美保子@上海)