2024年度留学生帰国報告会・交流会
去る8月11日、東京都港区の中国文化センターにて「2024年度日中友好協会派遣留学生帰国報告会・交流会」が開催された。この催しは、協会派遣で中国に留学したOB・OGによる「中国留学友の会」の同窓会も兼ねており、例年8月11日の山の日に開催されるのが恒例になっている。
開会に先立ち、当協会の宇都宮徳一郎会長、中国留学友の会の林千野会長、そして、ご来賓としてお越しいただいた中国大使館の杜柯偉公使参事官より、それぞれご挨拶の言葉をいただいた。杜公使参事官からは、留学生たちに向けて「留学で得た経験を活かし、日中友好の懸け橋として活躍してほしい」との温かな激励の言葉が送られた。


今年の報告会では、中国政府奨学金および山東省友好都市奨学金で留学した24名の留学生が、中国で過ごしたこの1年間を振り返り、それぞれの体験を発表した。食文化や旅行、課外活動、そしてルームメイトとの悲喜こもごもに至るまで、発表の内容は多岐にわたり、十人十色ならぬ二十四人二十四色の留学体験談を聞くことができた。食べ物の話題では、なぜか複数名が「重慶の火鍋は激辛」だということで意気投合していた。また旅行の話では、汽車で20時間以上揺られて新疆まで行った強者や、中露朝三国国境を訪ねて東アジアの現実を肌で感じた強者など、〝旅の猛者〟も続々と現れていた。

奨学金を計画的に使うなど生活力も磨かれた経験を発表。
参加者は熱心に聞き入っていた
ひとりひとりの発表後には、中国留学友の会の林千野会長より、1年間の中国留学を無事終えたことを証する修了証が授与された。1年間という、長いようでいて振り返ればあっという間の留学期間の中では、楽しいことばかりではなく、言葉や文化の壁に戸惑うこともあったかと思うが、林会長から修了証を受け取る留学生たちの表情には、どことなく達成感のようなものが見て取れた。

報告会後には、さまざまな年代の留学生OB・OG間の交流会も開かれた。参加者にはお茶とお菓子が振舞われ、和やかな雰囲気の中、時代ごとにそれぞれ特色のある中国留学の思い出話に花を咲かせた。また、当行事は株式会社フランクジャパンよりご協賛をいただいており、同社事業のプロモーションビデオも会場で紹介された。

当日は、今年9月より中国に留学する2025年度の留学生たちも参加。報告会・交流会を通じて、そうした〝後輩〟たちに向けて〝先輩〟たちから、中国でのお金のやりくりや便利なアプリのリスト、それと「中国人相手には臆することなく、言いたいことははっきり言うべし!」等、実践的なアドバイスが送られ、これから旅立つ留学生にとっても貴重な情報収集の場になった。
2024年度から2025年度へバトンは渡された。願わくは2025年度の留学生たちも、これから始まる中国生活の中で存分に学び、楽しみ、体験し、来年の8月また、今回に負けず劣らずの素敵な体験談を共有してもらえることを心待ちにしている。
(佐野 聡)




