四川ウィーク4/28～30
4月28日から30日にかけて、大阪・関西万博の中国館で「四川ウィーク」が開催された。本催しは、中国館における地域別イベントの先陣を切るもので、多くの来場者を迎えた。
開幕式では、中国国際貿易促進委員会の陳建安副会長が、「天府の国」と称され、ジャイアントパンダの故郷としても知られる四川省の豊かな文化を紹介し、「万博という舞台で多くの知恵と力を合わせたい」と意欲を述べた。四川省と友好都市関係にある広島県の横田美香副知事は、両地域が40年以上にわたり紡いできた交流の歩みを振り返った。
駐大阪総領事館の薛剣総領事は、昨年の習近平国家主席と日本の石破茂首相による会談に触れ、「万博は、中日両国民の相互理解を深める場になるとの共通認識が示された。大阪総領事館は、その願いを全力で支える」と力強く宣言した。
日本国際博覧会協会国際局の永野ひかる審議役は、自身の南京大学留学時代を回顧し、旅行で四川省の成都や九寨溝、都江堰の雄大な風景に触れた経験を披露。火鍋にまつわるエピソードを交えつつ、来場者に関西の美食と人々との交流も楽しんでほしいと訴えた。
式典では、四川の伝統芸能である大型人形劇や変面、茶芸も披露され、巧みな技に歓声と拍手がわいた。
一方、館内の特設コーナーには、蜀繍（刺繍）、蜀錦（織物）、竹細工、油紙傘といった四川省の無形文化遺産が展示され、常設展示の三星堆遺跡「青銅神樹」（レプリカ）などとあわせて、四川省の豊かな歴史と文化を伝えていた。
世界各国からの来場者でにぎわう大阪・関西万博で、中国館の四川ウィークは、世代や国境を越え、日中文化交流の幕開けを華やかに飾った。校外学習で万博を訪れた３人組の中学生は「建物がかっこよくて中国館に入ってみた。三星堆遺跡の出土品が印象的だった」と感想を語った。
北京ウィーク5/8～10
5月8日、大阪・関西万博の中国館で、「美しい北京 万博で輝く」をテーマとした「北京ウィーク」が開幕した。本催しは同月10日までの３日間にわたり開催され、期間中、観光ＰＲイベント「こんにちは 北京」や、東京都日中友好協会などが主催した「日中書道交流会」なども催された。
開幕式では、駐大阪総領事館の薛剣総領事が、「北京は800年以上にわたり中国の首都であり、豊かな歴史と文化を持つ都市で、今は国際交流や技術革新の中心地でもある」と述べ、万博を通じて北京の魅力を発信する意義を強調。「多くの日本の方々に中国を訪れていただき、5000年の歴史を持つ中華文明や、活気ある現代中国を体感してほしい」と語った。
中国館の晏晨暉館長は、「北京は、経済、科学技術、文化、観光など、幅広い分野で日本と密接な交流を続けている。万博をきっかけに、これまで以上に両国が協力を深め、共に未来に向かいたい」と意欲を述べた。
観光ＰＲイベント「こんにちは 北京」では、北京市文化観光局が、通信と支払い機能を一体化した「統合カード」を発表し、大きな注目を集めた。孫健副局長は、「観光客にとって便利な環境が整った北京では、今年の第一四半期、日本人観光客を約４万人受け入れた。両国の観光協力には、まだまだ大きな可能性がある」と期待を示した。
北京市文化観光局の孫副局長（右から３人目）ら来賓による記念撮影
館内では、北京の自然や歴史、そして現代の街並みを紹介する写真が展示され、多くの来場者を魅了した。また、「哈氏凧」（伝統的な凧の一種）、「面塑」（しんこ細工。小麦粉などで作る人形）といった、無形文化財に指定されている伝統工芸を体験できるコーナーでは、来場者が職人から説明を受けながら、制作を楽しんでいた。
一方、屋外ステージでは美しい古典舞踊や太極拳・書道を取り入れた創作古典舞踊が披露され、多くの来場者が目を奪われていた。
多彩な催しを通して北京や中国の魅力を来場者に伝えた北京ウィークは、今後益々の日中交流・観光協力の発展を期待させる充実した３日間となった。
（写真・動画提供：北京ウィーク運営事務局）