「知っている北京、知らない北京」田中俊行(中国人民大学)

中国人民大学での留学生活が始まり、気がつけば1か月が経ちました。9月は大学での授業だけでなく、寮での生活や各種手続きなど、初めて経験することが多く、毎日があっという間に過ぎていきました。

困ったこと、強いて言うなら

大学生活を始めるまでのさまざまな手続きです。入学後は授業の登録や書類の提出、居留許可の手続きなど、やることが次々に出てきました。説明の多くは中国語なので、内容を理解するだけでなく、「次に何をすればいいのか」を自分で判断する必要があります。日本の大学とは違う手続きの進め方に戸惑うこともありました。

広すぎる中国人民大学

そして、もう一つ最初に苦労したのが、大学の広さです。中国人民大学は想像していた以上に広く、最初の頃は授業の教室や建物を探すだけでも一苦労でした。

日本の大学とは規模が違い、キャンパス内を移動するだけでもかなりの時間がかかります。最初は地図を確認しながら移動していましたが、1か月生活して少しずつ場所も分かるようになってきました。

「聞ける」と「読める・書ける」は違う

授業が始まってからは、自分の中国語について新たな課題も見えてきました。

私は以前北京に住んでいた経験があり、家族とも中国語で話す機会があるため、会話や聞き取りについてはある程度対応できます。しかし、実際に中国語の授業を受けてみると、「聞いて理解する」ことと「読んだり書いたりする」ことは全く別だと感じました。

特に漢字を正確に読んだり、自分の考えを中国語の文章にしたりする場面では苦戦しています。普段の会話では何となく分かっていた言葉でも、授業で改めて向き合うと知らない表現が多くあります。

この1か月は、自分の中国語がどこまで通用するのかを知ると同時に、これから何を勉強していくべきなのかを考える時間にもなりました。

サッカーがつないでくれた人との出会い

一方で、この1か月で特に面白かったのが、サッカーを通じて人とのつながりが一気に広がったことです。

私は中国人民大学に来てから、大学内のサッカーサークルと学部のサッカー部の両方に入りました。それだけではなく、北京にいる友人が北京大学や北京外国語大学のサークルにも声をかけてくれ、参加する機会をいただきました。

さらに現在では、社会人チームなどにも参加するようになり、気がつけば約4つほどのチームやコミュニティに所属しています。1週間の午後がほとんどサッカーで埋まっている週もあり、「留学に来てここまでサッカーをすることになるとは思わなかった」というのが正直なところです。

ただ、サッカーをしていることで、大学や所属するコミュニティが違う人とも知り合うことができました。中国人民大学だけでなく、北京大学や北京外国語大学の学生、社会人など、普通に留学生活を送っているだけでは出会えなかった人たちとつながることができています。

また、サッカー以外にも、日本人会や踢毽子(羽蹴り)、バドミントンなどのサークルにも参加しています。授業だけで一日を終えるのではなく、さまざまな場所に参加することで、少しずつ北京での人間関係が広がっていることを実感しています。

世紀館サッカー場

8年前の北京と、今の北京

私は幼少期と中学校3年間を北京で生活していたため、街を歩いていると懐かしく感じる場所があります。しかし、8年前と現在では、街の雰囲気も人々の生活も、そして何より自分自身の立場も変わっています。

以前は「北京に住んでいる子ども」でしたが、今は「中国で学ぶ留学生」としてこの街を見ています。同じ北京に戻ってきたはずなのに、以前とは違う景色が見えることがとても不思議です。

中秋節に訪れた頤和園

気がつけば、もう1か月

留学生活が始まる前は、1年間という時間は長いものだと思っていました。しかし、実際に始まってみると、最初の1か月はあっという間でした。

手続きに戸惑ったり、授業についていくのに苦労したりする一方で、サッカーを通じて新しい人と出会い、さまざまな場所に参加することもできました。

まだ始まったばかりだと思っていた留学生活ですが、もう最初の1か月が終わりました。これから先の時間も、思っている以上に早く過ぎていくのかもしれません。

残りの時間でどんな人と出会い、どんな経験をするのか。まだ分からないことも多いですが、1か月目を終えた今、少しずつ自分なりの北京での生活ができ始めているように感じています。