「半期を終えて」森田琴美(復旦大学)

早いもので留学も折り返しを迎えました。この数ヶ月を振り返ると、さまざまな人と出会うことができ、それと同時にさまざまな面で成長することができました。

まずは語学面です。私は渡航直前にHSK5級を取りました。実際に留学が始まってからやっと気づきましたが、正直自分がこれまで外国語を学習するということに対して相当舐めてかかっていたことを思い知りました。受験や資格試験をやっていくうちにどうやったら高得点を取れるかという攻略ゲームにように捉えていたのだと思います。実際に授業が始まったとき、先生の説明を聞き取ることは愚か、他の留学生との会話にも全くついていけず、

「我也是」と「不明白」だけで過ごした1週間もありました。実践を目の前にして、HSK5級という目に見えた結果はほとんど無意味なものになってしまいました。最初の頃を振り返ると、一体どうやってコミュニケーションを取っていたのか謎ですが、おそらくなんとなく知っている英語、世界共通語である笑顔とノリでなんとかやっていたのだと思います。この段階で、意外となんとかなるもんだなという謎の度胸と、完璧な状態ではなく今持っている自分のカードで戦う能力を十分に身につけたと思います。

一方で焦りも大きかったです。翌年の夏の自分が中国語を話せているイメージが全く湧かなかったからです。何度もなぜもっと早く中国語の勉強を始めなかったのかと後悔したことがありましたが、目の前のやるべきことに熱中して取り組みました。もともと崖っぷちにならないとエンジンがかからないという特質を持っていたのが、不幸中の幸いでした。逆に私の性格では最初からある程度のレベルで渡航していたら、今ほどは伸びていないと思います。どうしても話せるようにしなければいけないという危機的状況が変えてくれたのだと思います。

語学面の成長に比例して、出会う人や話す人も増えていきました。特にこの外国人との交流や中国の日常の様子が私の価値観を豊かにしてくれたと思います。日本で就職活動をしていたとき、特に目的や興味はないのに、なんとなく名前がかっこいいから、とか、他人から凄いと思ってもらえそうだから、とか、ステータス的な観点から将来の選択肢を選んでいました。しかし、一度社会に出てから学びたいという意欲のもとで再び留学という道を選んだ人、まだ君は若いんだからもっと自分の興味の向くままにやるといいよと言ってくれた人に出会いました。また、日常生活の中で、14億人が暮らす国にいると、誰も私のことをこれっぽっちも気にしておらず、それぞれが暮らしたいように暮らしているというふうに気づきました。

このようなことを通して、私が20年以上日本で暮らして自分の中で植え付けていた固定観念から少しだけ距離を置くことができました。自分の本音と向き合って、将来の選択肢を増やすことができました。結局のところ、周りに流されず自分の興味や信念を貫ける人がかっこいいなと思うようになりました。カッコイイという点に価値観の重点を置く浅はかさは特に変わってはいませんが、このように思えるようになったことが自分の将来をより柔軟なものにしてくれるのであれば大きな収穫だと思います。

また、フットワークがかなり軽くなったと思います。

ふと、一人で中国横断でもしようかなと思いつき、冬休みには上海から武漢、重慶、青海省、新疆ウイグル自治区を約2週間かけて旅行しました。

一人ではできないことは、近くにいる人に声をかけて助けてもらったり、新疆の天山天池では雪や凍った湖を活かしたアクティビティをたまたま同じく一人で来ていた中国人のお姉さんと一緒に遊んでもらったりもしました。吐鲁番では包车という少人数のツアーのようなものにも参加し、中国人4人と砂漠を滑ったりしたことも良い思い出です。そのほかにも武漢から重慶の火车でおかしをくれたり、話し相手になってくれたりした親子など、たくさんの親切な方に出会いました。

一人で行動しても、行った先々で思いがけない出会いや出来事があると思うと、ぜひまた同じような旅行をしたいなと思えます。冬休みで中国語を話す機会が減ってしまい、もう一度自分を奮い立たせるためという目的でもあったので、かなり有意義な旅行になりました。

残すところの留学生活も長くはありませんが、中国でしかできないことや、気付けないことをたくさん発見して、自分の価値観や成長に大きく繋げられるような時間を過ごしたいです。

火车で隣だった中学生の女の子がたくさんお菓子をくれました。

砂漠を滑りました。今でももう一度やりたいと思うほど楽しかったです。

新疆の羊头(羊の頭部)。店前でぼーっと眺めていたら、店員のおじさまがたくさん試食させてくれました。羊!という感じの味でした。