二年前、交換留学を終えて日本に帰国した私に、周囲はよくこう尋ねました。「また浙江大学に行くの?」。そのときの私は笑って「さすがにもう行かないかな」と答えていました。しかし二年後、私は再び浙江大学のキャンパスを歩いていました。今度は中国語を学ぶ留学生ではなく、中国文学を学ぶ本科生として。
同じ大学への留学でも、自分の立場が変わると見える景色は驚くほど違いました。一度目の留学では、中国語を身につけることに精一杯で、生活の中心は浙江大学と杭州市でした。それだけでも十分に充実していましたが、今回の留学では「教室の外にも学びがある」と考え、時間を見つけて積極的に各地へ足を運びました。上海、北京、南京、西安、洛陽、青島、重慶、成都、武漢、広州、そして海上シルクロードの起点として栄えた泉州や、魯迅の故郷である紹興など、それぞれ異なる歴史や文化を持つ地域を訪れました。本で読んでいた文学作品や歴史上の出来事が、実際の風景や街並み、人々の暮らしと結び付いた瞬間は、何にも代え難い経験でした。本を読むだけでは作品は理解できても、その作品が生まれた土地の空気までは分かりません。実際にその土地を歩いて初めて、「中国文学を学ぶ」ということの意味を実感できたように思います。もちろん、専門科目を中国語で学ぶことは決して簡単ではありませんでした。授業についていくのに苦労し、自分の力不足を痛感することも何度もありました。それでも、中国の学生と同じ教室で学び、考え、議論した経験は、自分にとって大きな財産になりました。
これから留学する皆さんには、ぜひ大学の中だけで留学生活を終わらせないでほしいと思います。授業や研究に真剣に取り組むことはもちろんですが、少し勇気を出して教室の外へも飛び出してみてください。そこで出会う景色や人、文化との出会いが、きっと留学をより豊かなものにしてくれるはずです。二年前の私は、「また浙江大学に行くことになる」とは想像もしていませんでした。しかし、もう一度挑戦することを決めたからこそ、中国文学をより深く学び、中国各地を歩き、多くの人と出会い、自分自身の世界を大きく広げることができました。留学とは、大学で学ぶためだけの一年ではありません。自分の世界を広げるための一年です。教室で得た知識を、自分の足で確かめ、自分の言葉で考える。その積み重ねが、本の中の中国を、実際に生きる中国へと変えてくれました。
二年前、私が浙江大学で学んだのは中国語でした。そして今回は、浙江大学を起点に中国という国そのものを学びました。次は皆さんが、自分だけの「中国」と出会う番です。

瀋陽故宮の大政殿。赤、黄、緑、青のカラフルな外観は、北京の故宮とは一味違った上品さを醸し出していた。

遼寧省・丹東の中朝友誼橋から見える北朝鮮。あれが北朝鮮だ!と興奮する中国の子供たちが可愛らしかった。

帰国前最後の旅行の舞台、福建省・泉州市。閩南紅の街並みが美しく、何枚も写真を撮ってしまった。




