「私が取り組んだ日中友好活動と、そこから得たもの」佐伯茜(上海師範大学)

私は、日中友好を実現するためには「知ること」「交流すること」「広げること」の三つが大切だと考えています。まず相手のことを知り、その上で人と交流し、さらに得た魅力や学びを周囲へ広げていくことが、相互理解につながのではないでしょうか。

この留学期間中は、日中友好の土台となる「知ること」の実践が主となりました。

語学面では、2学期間を通して上級クラスで中国語を学び、日常会話には困らないレベルまで伸ばすことができました。また、中国各地に積極的に足を運び、黄山、紹興、無錫、杭州、寧波、泉州、北京、湖州などを訪れました。地域ごとの歴史や文化、街の雰囲気の違いを実際に体感したことで、中国という国をより立体的に理解できるようになったと感じています。さらに、中国の伝統行事にも積極的に参加し、清明節には青団作り、元宵节にはランタン鑑賞をするなど、その風習を体験しました。

また、留学中に中国の文化芸術について学ぶことも、私にとってのテーマのひとつでした。学内では音楽イベントや新年晩会に出演したほか、博物館の解説員研修にも参加しました。さらに、演奏会に足を運んだり、博物館、美術館、お寺などを訪れ、中国の歴史や芸術への理解を深めました。

 

学校の音楽イベントで、音楽学部の学生さんの演奏に合わせて日本語と中国語で詩を読みました。

「交流すること」も、この一年で大切にしてきました。クラスメイトや中国人の先生方と食事に出かけたり、日常的に会話を重ねたりする中で、中国語だけではなく価値観や生活習慣についても多くのことを学びました。身近な中国人と過ごす時間の中で、小さな文化の違いや新しい発見を積み重ねられたことは、留学だからこそ得られた貴重な経験でした。

前期の期末に、新疆料理店で口语の先生とクラスメイトと食事会をした時の様子。

そして、「広げること」にも小さな形ではありますが取り組みました。留学中、日本から友人が何人か上海を訪ねてきてくれました。もともと中国に強い興味があったわけではなく、「私がいるから行ってみよう」という気持ちで来てくれた友人たちでしたが、せっかく中国まで来てくれたのだから、その魅力をできるだけ知って楽しんで帰ってほしいと思い、上海の街を案内しました。その結果、「また来たい」と言ってくれる友人もおり、中国に興味を持ってもらうきっかけを作れたことを嬉しく感じました。

初めて上海を訪れる友人を案内する際には絶対に外せない外灘の夜景。感動する表情を見て、私まで嬉しくなりました。

私は、音楽大学で音楽を学び、その後画廊で日本美術を扱う仕事に携わってきた経験から、「文化芸術を通して日中の架け橋となる」ことを留学前からの目標としてきました。この一年で何かすごく大きな事を成し遂げられたわけではありませんが、自分の中に知識と経験を積み重ね、その目標に向かって一歩ずつ前進できたと感じています。

今回の留学では、中国で生活し、多くの場所を訪れ、多くの中国人と交流することで、中国への理解を深めることができました。一方で、日本について紹介する機会は多くありませんでした。今後は、中国の方々に日本の文化や芸術の魅力を伝える活動や、日本と中国の人がともに楽しみ、交流できる文化芸術の場づくりにも挑戦していきたいと考えています。そして、これからも「文化芸術を通して日中の架け橋となる」という目標に向かって歩み続けていきたいと思います。

今月の成果

留学終了後すぐに上海で就職する予定の私は、七月初めに修了式を終えて学生寮を退居した後も、帰国せずそのまま新生活に向けた準備を進めています。
引っ越しに加え、留学居留許可の取り消しや就労ビザの申請など、初めて経験する手続きが続きました。ビザが取得できるまでは不安もありましたが、無事に就労ビザを取得することができ、現在は就労居留許可の申請を進めています。学生生活から社会人生活への移行に向けた準備を着実に進めることができた一か月でした。

修了式の日に、上海師範大学のキャンパス内にある中日友好園で記念写真を撮りました。

来月の目標

就労ビザも無事に取得でき、来月からはいよいよ仕事が始まります。新しい環境や暑さに負けず、生活リズムを整えながら、一日でも早く新しい環境に慣れ、充実した社会人生活をスタートできるよう頑張りたいと思います。また、留学で培った中国語や経験を今後の仕事や生活に生かせるよう、引き続き努力していきたいと思います。