「中医学と自分の体質探し」浅川愛美(北京語言大学)

前回のレポートを書いた後も、中医学への興味は尽きませんでした。むしろ以前よりも気になってしまい、中国のSNS「小紅書(red note)」で自分の体質について調べる日々を送っています。

調べれば調べるほど、私は混乱していきました。肌や喉が乾燥しやすいので「陰虚」かと思えば、体は冷えやすく疲れやすいので「陽虚」のような気もします。さらに先生からは「肝郁脾虚」や「衛気虚」と言われたこともあり、別の日には「上熱下寒」や「寒熱錯雑」という言葉も聞きました。ここまで来ると、自分の体がどういう状態なのか、ますます分からなくなってしまいます。

そんな中、いつものように中医の先生のところへ行きました。その日は肩こりがひどく、外の気温が上がり暑くて汗が出るのに、汗をかくと寒くなるという何とも不思議な状態でした。うまく説明できないながらも、中国語でなんとか症状を伝え、診察を終えました。

その後、会計をしようとすると、いつもより少し高い金額が表示されていました。見慣れない項目があったため、私は思わず受付の人に「これ何のお金ですか? 何をするんですか?」と聞いてしまいました。

すると先生が、私の症状を聞いて「抜火罐(カッピング)」の治療を追加していたことが判明しました。どうやら私は知らないうちにを「抜火罐」受けることになっていたようです。

こうして人生初の「抜火罐」が始まりました。少し緊張していましたが、実際に受けてみると不思議な感覚でした。吸われている感じはあるものの、背中のあたりがじんわりと軽くなっていくような気がします。

初めて体験した抜火罐(カッピング)。文字通り本物の火を使い、瓶の中を真空状態にして背中に吸着させます。

施術が終わった後、鏡で背中を見ると丸い跡がたくさん残っていました。その様子を見て、「ついに私もここまで来たか……」と思わず笑ってしまいました。留学前の私が見たら、きっと驚くと思います。

施術後の様子。吸着した部分が赤くなっています。先生によると、私の状態は比較的健康な方らしいです。(状態が悪い場合は、紫色になったり水疱ができたりすることもあるそうです。)

印象的だったのは、自分ではうまく説明できないような体の不調に対しても、中医学ではさまざまな考え方や治療法があることでした。特に面白いと感じるのは、自分ではうまく言葉にできない体の不調にも、中医学では名前が付いていることです。西洋医学であれば「自律神経の乱れですね」や「ストレスかもしれませんね」で終わりそうな状態でも、中医学では「衛気虚」や「上熱下寒」など、さまざまな見方があります。自分の体に次々と新しい名前が付いていくことに戸惑うこともありますが、それもまた中医学の面白さだと思っています。

また、日本ではあまり聞かない言葉でも、中国では多くの人が自然に使っています。最近では、中国人の友人から「その果物は「上火」しやすいよ」と言われたり、「最近めっちゃ「虚」っぽいんだよね」と言われたりしても、「そうなんだ」「つらいよね」と普通に返している自分がいます。留学前なら何のことか分からなかったはずなのに、いつの間にか中医学の考え方が私の生活の中に入り込んでいました。

小紅書を見ながら自分の体質について考える時間も楽しいですが、実際に診察を受け、ときには知らないうちに治療を追加されながら中医学を体験できるのは、中国留学ならではの面白さだと思います。帰国までに、今回の「抜火罐」だけでなく、まだ体験したことのない「艾灸(お灸)」や「针灸(鍼灸)」にも挑戦してみたいと思っています。

友人とレンタカーを借りて北京郊外へさくらんぼ狩りに行きました。中医学では、さくらんぼは食べ過ぎると「上火」しやすいと言われているそうです。