「生活に順応するのが意外と大変」酒巻大雅(浙江大学)

中国に住んでみて思うのは、日本とは街並みが全く違うということです。私が現在住んでいるのは浙江省の省都・杭州です。杭州は西湖や茶畑の美しい風景に見られるように自然豊かな反面、IT・AI産業が盛んな先端都市でもあります。自然風景、都市風景、いずれにしろそのスケールの大きさは日本とは比べものになりません。お店や人々の住まいを細かく見てみても私の故郷の栃木とは全然違うため、最初は暮らしに慣れるのに時間がかかりました。

まずお店についてですが、杭州はコンビニやスーパー、ドラッグストアなどが多いです。しかし、日本のように独立した店舗はなく、集合住宅の一階や大型商業施設内にあります。また、従業員は1~2人ほどしかいない場合が多く、物を買おうとしてもレジに誰もいなくて結局買わずに帰ることも何度かありました。日本の場合は、深夜帯を除いて常に複数人の従業員がいるので、買おうと思ったのに買えなかったなんてことはあり得ません。中国は個人経営の店舗が多いからこのようなことになるのでしょうか。

人々の住まいについては、杭州市はまず一軒家というものが見当たりません。集合住宅、大型マンション、宿舎が一般的です。私の故郷は反対に集合住宅は少なくほとんど一軒家や分譲住宅です。そのため個性豊かな家々が町中に並んでおり、学生時代は自転車で住宅街を走る時は移り変わりの激しい景色を見ながら運転するのが楽しかったです。杭州はその点、灰色の大型集合住宅ばかりで、道路やその他建物のサイズも大きいためタクシーで飛ばしていても風景があまり変わらず退屈に思うこともあります。

こうしたことは些細な違いかもしれませんが、現地の生活に慣れることにおいては意外と大きかったりします。地図上でコンビニを探しても見当たらなくて、町の人に聞いてみたらデパートの地下にあったり、友達の家に遊びに行こうとしたらどのマンションか分からず、ようやくマンションを見つけたと思ったらどの棟のどの部屋か分からなくて大冒険してしまったり。今はもう慣れているのでその違いに苦戦することはなくなりましたが、最初は誰しも順応するのに苦労するのではないかと思います。

龍井村の様子。斜面に広がるのはすべて茶畑。ギラギラな街からバスで数分離れるだけで、ローカルな中国の顔を見ることができる。

キャンパス前に広がる集合住宅の様子。建物自体は灰色や黒色など暗い色が多く夜の闇に溶け込んでいる反面、電灯や電飾も多いため巨大な建物の輪郭があらわになり、圧迫感をおぼえる。

西湖周辺の商店街は日が沈むとすぐに閉まってしまい、観光地の賑わいが一気に消える。日中でもそもそも開いていない店舗も多いため、意外と静かな街である。