「月次レポート」長澤璃奈(北京大学修士1年)

8 月29日に北京首都国際空港に到着しました。北京を訪れるのは、昨年、卒業論文のフィールドワークのために滞在して以来、約1年ぶりです。また、2023年9月から2024年6月まで学部時代に北京大学へ交換留学していたため、留学という形で北京に戻ってくるのは約2年ぶりとなります。今回は交換留学生ではなく、北京大学修士課程の正規学生としてこれから2年間を過ごします。
空港に降り立ったとき、前回の留学で初めて北京に到着した日のことを思い出しました。当時は、中国に来るのも初めてで、空港に着いた瞬間から不安な気持ちでなんとか北京大学までたどり着いたことを覚えています。一方、今回は、前回の交換留学中に知り合った友人が空港まで車で迎えに来てくれ、余裕を持って移動を終えることができました。大学へ向かっている道中は、「ここでまた2年間学生生活を送れるんだ」という懐かしさと、前回の留学から自分が大きく成長できていることを感じました。

最初の1週間は、オリエンテーションや入学式などが続き、新しい同級生たちと出会う時間になりました。学生は中国だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、アジア、アフリカなど世界各地から集まっています。彼女ら彼らに留学に来た経緯などを聞くと、中国への印象が各国で大きく異なることに気付かされます。例えば、一帯一路構想などを背景に多くのアフリカ出身の学生が中国へ留学していることは以前から知っていたものの、ナイジェリア出身の友人から、遠く離れた彼女の国でも中国語学習がとても人気なのだと知りました。他にも、パキスタン系アメリカ人の学生から、中国ではパキスタン人が非常に歓迎されることも聞きました。これまで日本の視点から中国の対外関係について学ぶことが多かった自分にとって、今後は国の枠を超えた視点で学べることが楽しみで
す。

第2週は、いよいよ本格的に授業が始まり、興味のある授業を試していく期間でした。最終的に、今学期は、英語で3科目、中国語で2科目を履修する予定です。英語では、「EconomicDemography: A Chinese Perspective(中国の視点から見る経済人口学)」、「Social Stratificationand Mobility in China(中国における社会階層と社会移動)」、そしてプログラム必修科目の「China in Transition(変容する中国)」を履修しています。「China in Transition」はオムニバス形式で、中国社会の変容について、近代化やサステナビリティなど多様な観点から講義とゼミを通して学ぶ授業です。中国語では、「労働問題」と「ジェンダーと社会」を履修しています。
履修する授業は、学部時代の関心を中心に広げ、深めることを意識しました。学部時代の卒業論文では、中国農村部の家族が、子どもにより良い教育機会を与えるために、どのように都市部の教育資源を求め、家族内の資源を配分しているのかについて研究しました。修士課程でも家族を研究対象にする予定のため、家族、社会移動、社会階層といった分野を中心に中国社会の変容をより広い視点から観察し、分析するための視点を養いたいです。

9 月は、新しい人々との出会いから授業の開始、居留許可の申請まで、これから2年間を過ごすための基盤を整える1か月となりました。生活面での手続きも一段落し、少しずつ北京での日常ができつつあります。10月は、国慶節の休暇での旅行を楽しみながら、授業内の発表など小さな挑戦に日々取り組み、今後の研究のためのヒントも得ていきたいです。