「中国留学を終えて ~これからの私~」佐伯茜(上海師範大学)

留学後期は、留学後の進路を上海での現地就職と定め、その実現に向けて就職活動に力を注いでいました。

留学を通して中国に長期滞在する中で、この環境が自分に合っていると感じるようになりました。手続き面の困難や習慣の違いに戸惑うこともありますが、そのたびに自分で情報を集め、考え、行動しながら乗り越えることで、日本にいた頃よりも主体的に行動する場面が増えました。そうして試行錯誤しながら前に進んでいる自分が好きだと感じるようになり、この環境で働きながらさらに成長したい、そして一年間かけて身につけた中国語もこれから実際に使い続け、さらに伸ばしていきたいと考え、中国でキャリアを築くことを目指しました。

とはいえ、中国語はまだネイティブレベルではありません。そのため、まずは日本語や日本人であることを生かせる仕事を探し、日系企業を中心に就職活動を進めました。学校での学習と並行して就職活動を進めるのは決して簡単ではありませんでしたが、履歴書を作成し、転職エージェントや求人サイトに登録し、中国語と日本語の両方を使いながら面接を受けるなど、一つずつ進めていきました。

履歴書は日本語版と中国語版、それぞれ作成しました。日本では自己PRや志望動機が重視される一方、中国では経歴や経験、実績が中心で、決まったテンプレートもなく、履歴書の作り方にも違いがあることを知りました。また、面接のために実際に上海の企業を訪れてオフィスを見学し、現地で働く方々と話ができたことも良い経験でした。上海で日本人が活躍できる職種や各業界の給与相場など、現地で就職活動をしたからこそ得られた知識も多くありました。

業界は幅広く見ていましたが、できればこれまでの経験も生かしながら、「文化芸術を通して日中の架け橋となる」という自分の目標に近づける進路はないかと考えていました。そこで、通常の応募を進める一方で、以前から知って気になっていた、上海にある日系音楽教室にも自分から連絡を取ってみることにしました。それをきっかけに代表の方と実際にお会いし、お話を伺う中で「音楽を通して日中の架け橋となる」という理念のもと運営されていることが私自身の目標とも重なり、深く共感しました。その後ご縁があり、最終的に留学終了後はそこで働く機会をいただくことになりました。

留学前は漠然とした目標はあっても、具体的な将来像までは描けていませんでした。しかし、この一年間で中国語を学び、多くの人と出会い、さまざまな経験を積み重ね、自分で考え行動し続けた結果、納得できる進路を見つけることができました。この留学がなければ出会えなかった人や、つかめなかった機会ばかりです。

現在は、10か月間お世話になった上海師範大学の留学生寮を退去し、住まいを移して、学生ビザから就労ビザへの切り替えも終えました。すでに上海での新しい生活が始まっています。今回の経験を新たなスタートとして、これからも「文化芸術を通して日中の架け橋となる」という目標に向かって歩んでいきたいと思います。