「後期レポート」中野健太(中央民族大学)

7月をもって、10ヶ月間にわたる中央民族大学での留学を終えました。本レポートでは、留学前に立てた目標および前期レポートで設定した課題に対する後期の取り組みを振り返り、進捗状況を分析した上で、留学生活全体を総括します。

前期レポートでは、①語学レベルの更なる向上、②規模や精度を高めた文化交流イベントの企画・運営、③留学生枠を超えた幅広い交友関係の構築、の3点を後期の重点課題として掲げました。以下にそれぞれの達成度を分析します。

①語学レベルの向上:2月に一時帰国した際、HSK4級および5級の試験に無事合格することができました。後期からは自ら語学クラスを2段階上げて授業に臨み、自分よりレベルの高い周囲の学生たちと切磋琢磨することで、読解力・表現力を大きく伸ばすことができました。

また、3月からは大学の「留学生支援インターン」として採用され、中国語と英語を用いて業務説明や月次報告を行う機会を得ました。単なる教室内の学習にとどまらず、ビジネスや実務に近い緊張感のある環境で中国語を実用に耐えるレベルまで引き上げられたことは大きな進展でした。HSK6級合格に向けた語学基盤は確実に構築できたと考えています。

② 文化交流イベントの企画・運営:前期の反省を生かし、後期はイベントの「頻度」「規模」「対象範囲」を大幅に拡大しました。

  • 3月:日本からの短期留学生7名と現地学生をつなぐ歓迎会(約30名参加)
  • 4月:海淀公園での25名規模のお花見ピクニック、および「日中餃子作り交流会」
  • 5月:インターン先の資金援助や学内の協力を得て開催した「日中将棋(象棋)大会」
  • 5月末:国際文化祭における日本ブース出展
  • 6月:芸術専攻の中国人学生を講師に招いた「中国美術(水墨画)体験会」

前期のように外部会場へ頼るだけでなく、学内の正規の手続きや資金調達、企業連携まで自分たちで完遂できるようになりました。日中学生のみならず多国籍な留学生を巻き込む質の高い交流空間を創出できた点において、目標を十分に達成したと評価できます。

③ 幅広い交友関係の構築:前期の最大の課題であった「交流対象の偏り」についても、大きな改善を実行しました。自発的なイベント企画を通じて、他大学の中国人学生や、これまで接点の薄かった中央民族大学の芸術専攻の学生などとつながりを持つことができました。さらに、北京での情報誌における「留学生記者」としての活動を通じ、大使館関係者や他校の文化祭取材を通じて社会人・他大学のネットワークを拡大しました。

加えて、修了後の7月中旬には香港・深圳へ赴き最先端技術(無人タクシーやドローン配送)に触れるとともに、後半は河南省焦作市でマンスリーマンションを借りて生活しました。現地のコミュニティや友人のご家族との交流を通じて地方都市の等身大の暮らしに触れ、北京という大都市の留学生コミュニティにとどまらない、幅広い人間関係を構築できました。

この1年間の留学生活を通じて常に胸に刻んできたのは、事前研修会でいただいた「走出舒适区(コンフォートゾーンからの脱出)」という姿勢です。留学前・前期に描いていた目標の多くは達成できましたが、単に目標数字をクリアしたこと以上に、「言葉や習慣の異なる環境において、自ら課題を発見し、周囲を巻き込んで形にする実行力」を身につけられたことが最大の成果です。中国語が十分に話せず苦労した初期から、中国語で学内交渉を取り仕切り、異文化間をつなぐイベントを主催できるまでに至ったプロセスは、大きな自信となりました。

中国の圧倒的な発展スピードと、現場で触れた人々の温かい人情の双方は、日本にいるだけでは実感できない貴重な学びでした。帰国後は、この1年で得た語学力とネットワーク、そして主体的な行動力を糧に、将来ビジネスの現場において日中間の経済・文化の真の懸け橋となれるよう、引き続き成長を重ねたいと思います。