水墨・彩墨画から現代アートまで独創的世界を築く

2020年2月1日号 /

書画家・芸術学博士 宓 冬瑩(ミートンイン)さん

1974年、中国浙江省出身。中国国立美術大学で中国画専攻。99年来日。宝塚造形芸術大学で日本画専攻、後に故嶋本昭三氏から現代美術を学ぶ。05年現代美術芸術学博士号を取得。10年上海万博日本展示館で個展、奈良平城遷都1300年祭水墨画パフォーマンス披露、近年は中国で北京芸術博物館、中国美術館、北京恭王府、大阪・阪急うめだ本店美術画廊で個展開催、「有馬ビューホテル」ロビー大壁画の制作など

 

すべては画でつながる。自然体で歩んだ日本での20年

水墨画の常識から外れた色鮮やかな作品…とでも評そうとしたのを、見透かしたように気鋭の女流画家は微笑んだ。
「彩墨画と言っていますが、それ自体は新しくなくて、中国画(水墨画)には昔から色があったんですよ。白黒が盛んになったのはずっと後です」
個展の要請は引きも切らず、これまで国内外で22回を開催してきた(2019年9月取材時点)。人気の一因は、「見たことのない作風」。習得できた背景に日中友好の縁があった。

伝統も前衛も血肉に

中国の美術大学を卒業後、結婚。夫の赴任に伴い来日した。日本の文化財を見て回るうちに、「ちゃんと学びたい。このまま中国に戻ったら、日本のことはわからないままだ」と、宝塚造形芸術大学に入学、日本画を専攻した―(続きは本誌で)