梁瀚中レポート②

2021年10月により博士1年の後期学期に入りました。貴協会の奨学金を頂いたからの半年間、研究と生活の両立ができて、毎日充実な時間を過ごしています。コロナの影響を受けて、世の中が大変苦しくなっている同時に、今の私は奨学生としての生活には本当に感謝しかありません。

学業面

1.自分の研究を順調に推進

今年の4月から修士課程の研究の成果に基づき、中国の農業由来の温室効果ガスの削減と日本の有機農業における外来雑草問題についての研究を順調に推進しています。

コロナ禍で帰国調査が困難になっている現状により、公的統計のデータを使用し、中国における低炭素循環農業地域の炭素削減効果の試算を始まりました。

中国の循環型農業より、日本の循環型農業の発足が早い、「耕畜連携」と「環境保全直接支払」などの取組を推進しています。循環型農業とは、米や野菜等を生産している耕種農家へ畜産農家から堆肥を供給し、逆に転作田等で飼料作物を生産し、畜産農家の家畜の飼料として供給するなど、耕種と畜産の連携を図ることです。

中国も近年から農業分野の炭素削減を目標として、低炭素循環型農業システムを作り始め、パイロット地域を選定し循環型農業政策が実施しています。研究の現段階は9月に政府公表データの収集が終わり、データ分析を行っています。収集されたデータによれば、循環型農業政策パイロット地域としての浙江省は2017年から農業分野の炭素排出量は年々減少しており、化学肥料、農薬または農業廃棄物量も低減しています。分析結果はまだ出ていないですが、単純に統計データを見ると、循環型農業政策が地域内の農業炭素排出を削減できることを考えています。10月から引き続きデータの分析を推進し、確実な分析結果を得ることを目指して参ります。

日本の有機農業における外来雑草問題に関する研究は、7月の現地調査後、雑草の侵入経路と被害状況を整理しています。現在、福島県の有機大豆圃場に侵入したアレチウリは、日当たりの良い,腐植質の多い沖積地を好む.土壌環境に対する適応性は大きい。

アレチウリは根やつるが存在する限り生き続けます。そのため、つるを手で引きちぎったり、鎌などで刈り込んだとしても、残った部分で結実し、増殖し続けます。そのためアレチウリを駆除するためにどうすればいいかというと、「人の手で1本ずつつるを根元までたどって、根元から引き抜く」という作業が必須になります。そして、土壌処理剤のみの防除は難しく,茎葉処理剤や,結実前の刈り取りといった機械的防除法の併用が必要です。

自分も現場調査に行った際に、生産現場の有機農家はアレチウリの侵入でその管理と駆除に苦労している状態を見て、心が大変苦しくなっています。

今後の研究は、アレチウリの侵入経路を解明する上、駆除作業の負荷を低減できる方法、予防方法を提案することを目指して参ります。

 

2.新しい研究課題に参入

9月に研究室の博士先輩の研究課題に参入することができました。その研究課題は「日本における牛の伝染性リンパ腫の防疫対策と清浄化政策システム」テーマとして、日本の肉用牛農家の防疫対策に貢献することを目的とします。

私は今までずっと環境保全農業と有機農業の研究をしていますが、畜産分野の研究が自分にとって触れたことのない分野ですので、挑戦的価値があると考えております。

私も畜産分野に興味が持ち、日本の畜産業の知識を深めたいと思います。今回の機会を得て、異分野研究を始めることをできました。今回の担当は調査データの整理と解析として、農家の防疫対策の実施現状と効果を解析することです。具体的には、因子分析を用い、農家のリスク認識と環境規制の因子負荷量を回転法の基準で一意に定めます。そしてダミー変数を導入し、順序付きプロビットモデルを用い、農家の防疫対策を定量的分析により異分野研究の成果を得ることを期待しています。

 

生活面

10月1日から日本の「緊急事態宣言」が解除され、中国の国慶節連休も始まりました。東京の感染者数は200人程度に下回って、コロナの収束も見えるかなと思っています。まだ油断できない状況ですが、「緊急事態宣言」が解除されたことをきっかけにして、感染症対策を徹底した上、外食に行きました。

生活面は特に変わらないですが、平凡な毎日でも自分の研究と責任を忘れず、充実な生活を過ごしたいと思います。