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協会の見解

アジアカップ・サッカー競技に寄せて

 私たちは、この度中国三都市におけるアジアカップ・サッカー競技に際して発生した事態を大変残念に思っています。とくに、競技に先立ち出場国の栄誉を称える国歌斉唱に際し、日本の国歌に対して多くの中国の人たちの礼を欠いた言動は極めて遺憾なことでした。

 スポーツ競技、なかでもサッカー競技が往々にして観戦者の度を越した感情の発露、時としては暴力行為をも招来することは、これ迄も例がなかったわけではありません。私たちは、中国側が主催国として競技の円滑な運営のため多大な努力を払われたことは十分認識しています。

 しかし、今回、中国における競技に際して、中国の観戦者たちから日本の選手たちとサポーターたち、そして日本の国に対してあびせかけられた数々の言動は、これをスポーツ競技がもたらした一時的な興奮として片づけることができないものをもっているように思います。これをとらえ、すでに、一部の関係者が2008年北京オリンピックとの関連で問題を提起するに至っていることを懸念致します。

 私たちは、アジアの友邦として、北京オリンピックが世界に誇り得る成功を収めることを祈念するものであり、そのため中国政府、中国側関係機関におかれて適切な措置をとられ、事態が改善されることを強く望みます。

 日中両国が、お互いに感情的にいがみ合っては、失うものこそあれ、得るものは何もありません。この点は、勿論私たち日本側においても十分心すべきことです。二十一世紀の東アジアの行方を決めるのは、日中関係であるといっても過言ではありません。そのように考える時、私たちはお互いにいがみ合っている余裕などないのです。

 私たちは、これ迄の中国との幅広い交流を通じて多くの中国の人たちが、日本との平和友好関係の発展に強い思いをもっていることを承知しています。今回の事態を深刻に受けとめた人々の中に、志を高く持って日本で学業にいそしむ多くの中国の若者たち、或いは日本で中日関係の仕事にはげむ中国の人たちが多くおられます。そして、同様の立場で中国に在住する多くの日本人もまた同じ思いであったことと確信しています。

 重慶で、済南でそして北京で日本に対してあのような行動とった中国の観戦者には是非、機会があれば日本にいらっしゃり、現実の日本にふれていただきたいと思います。そうすれば、日本の大多数の人々が、中国に暖かい心情を寄せ日中友好関係を如何に大切なものと考えているかを自ら発見されると思います。

 私たちは、この際お互いの感情を静め、いま一度日中国交正常化の原点に立ち返り、両国関係の発展のために中国側において私たちと志を同じくする数多くの中国の友人たちと、共に努力し続ける意を改めて強くします。

2004年8月11日
社団法人日中友好協会
財団法人日中友好会館

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