「人間が生きていくのは大変だけど、苦労を楽しむのも手です」
日本語で書いた初めての小説が芥川賞候補に
楊 逸さん 文学界期待の新人
小説『ワンちゃん』が中国人初の芥川賞候補に選ばれた。「思ってもみなかったことなので、評価して頂いただけですごく満足しています」
日本人に嫁いだ中国人女性“ワンちゃん”が自活のため、日本人男性と中国の農村女性の集団見合いを仲介するというストーリー。「ひとりの人間が生きていくのはとても大変なこと。でも、苦労を楽しむのもひとつの手だと伝えたい」
日中の文化の差異を浮き彫りにしながら、“ワンちゃん”の人柄とユーモラスな文章から人間を見つめる温かい眼差しが伝わってくる。「同じ日本人でも男と女の文化があるぐらいだから、人と人がすべて合うはずがない。人が仲良く暮らすには相手を理解しようという気持ちが大切」 来日して20年余。在日中国人向けの新聞社を経て中国語教師になった。しかし、日本で「書くこと」を仕事にしたいと、初めて日本語で小説を執筆。「計画性がないんです」と笑うが、「だめもと」で応募した作品が見事、結果を出した。
「書きたいテーマは日本と中国の違いの数くらいあります。違いを分析するのではなく、文化を語れる小説を書いていきたい」
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