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「日本と中国」
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胡錦涛主席訪日に思うこと
海江田 万里 前衆議院議員、経済評論家

が胡錦涛主席と最初に面会したのは1994年2月、北京の人民大会堂においてであった。この前年の総選挙で、国会議員になった私は、日本新党の訪中団の団長として中国を訪問した際に、「ぜひ中国の次世代の指導者に会わせていただきたい」と申し入れをしたところ、当時の中日友好協会の孫平化会長が特別の計らいで面会させてくれたのが胡錦涛氏だった。

氏は当時、「国務委員」の肩書きで、前任地のチベットから北京に帰ってまだ日も浅いときであった。私は、もとより日本と中国の友好を願うものであるが、89年に起きた天安門事件とチベット動乱に対する中国の対応には自分なりの考えを持っていた。
 初対面で、チベット問題に対する自分の意見を述べるのは礼を失するのではとの心配もあったが、単刀直入に「チベットで仕事をされていたようですが、武力で問題は解決しません。チベット問題はあくまでも平和的に話し合いを行うべきです」と見解を披瀝した。 当時の細かいやり取りを記録したメモを捜したが、残念ながら見つからない。記憶をたどると、私の話を最後まで聞いた胡氏は「チベット問題は長い歴史的な経緯がある」ということと、「独立はだめだが、自治ということであればいつでも話し合いの用意はある」と語ったと思う。
 この会談の内容は北京発で当時の朝日新聞にも掲載された。

っとも最近で面会したのが、2006年4月橋本元総理らと訪中した折である。その間私は5、6回胡氏に面会している。日本の政治家の中でもかなり頻繁にお目にかかっているひとりではないだろうか。
 中でも印象深いのは98年4月、まだ副主席の胡氏を、自民党とともに民主党が日本に招待し、私が接待の幹事役をおおせつかった時のことである。
 胡氏は、江沢民前主席と違って、ほとんど揮毫をしないが、私のためにと色紙をしたためてくれた。そこに書かれた文字は「欲窮千里目 更上一層楼」(千里の目を窮めんと欲し さらに上る一層の楼)。盛唐の詩人王之渙の「登鸛鵲楼」と題する詩の一節であった。筆跡は流麗というより実直というべきであろう。几帳面な字であった。
 この揮毫の通り、胡氏は副主席から主席になることでさらに楼を一層上ったわけだが、国際社会の中で中国が尊敬される地位を得ようとすれば、チベット問題に対する平和的な対応が必要なことは言うまでもないだろう。「和諧社会」を唱える胡主席の指導力に期待したい。


 
 
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