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「日本と中国」
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出よ! 平成の石橋湛山

月15日、小泉首相はやはり靖国神社を参拝した。
 地元紙から感想を求められた私は「参拝が『公約』ならば、それは首相が言う『心の問題』ではなく、『外国からとやかく言われる筋合いのもの』以前の、歴史観の問題だ。ここに来て靖国参拝について議論百出している事態は、戦後日本が戦争責任の総括を曖昧にしてきた結果である。しかし漸くにして多くの人たちが、戦争や靖国の問題を考える機会が到来したともいえる」と答えた。

もなく小泉劇場型政治は幕を閉じる。失われた中韓両国の信頼を回復することは次期政権の最重要課題である。
 ポスト小泉たらんとする政治家は先の大戦の評価を含めた歴史認識を明確に語り、それを戦没者の追悼や外交のあり方につなげる具体的な施策を示すべきである。しかし残念なことに、靖国問題を争点からはずそうとしたり、自分が首相になった時は参拝しない云々にとどめたり、靖国神社の非宗教法人化など、何となく逃げ腰、及び腰で、己が歴史観に基づいて真正面から論争を仕掛けようとするポスト小泉候補が見当たらない。

春発刊された高橋哲也氏の労作『靖国問題』(ちくま新書)は、“あとがき”で1945年10月13日の『東洋経済新報』に発表された石橋湛山の「靖国神社廃止の儀 難きを忍んで敢て提言す」という“社論”を採り上げている。紙幅の都合で詳しくは紹介できないが、その前年学徒動員で愛息を失った遺族の一人として、石橋は靖国神社の成り立ちを省みつつ、敗戦に直面した今、「大東亜戦争」の戦没将兵を英霊として顕彰することは国際的立場から困難になったとし、「大東亜戦争は万代に拭う能わざる汚辱の戦争」であり、かつ国家を滅亡の危機に導いたわけで、そのような戦争の戦死者を祀ってこの神社が存続するならば、「屈辱と怨念の記念」となるだけだ。むしろ「我が国民は、今回の戦争が何うして斯かる悲惨な結果をもたらせるかを飽まで深く掘り下げて検討し、其の経験を生か」し、「真に無武装の平和日本を実現すると共に、ひいては其の功徳を世界に及ぼす大悲願を立てること」だと説いている。
 戦前保守リベラルの立場から軍国主義批判の言論活動を展開し、戦後まっ先に靖国神社の「廃止」を提言、しかもGHQが非武装中立の憲法草案を示す遥か以前にこれを書いた石橋氏は、その後自民党総裁から首相に就任する。時代も状況も変わったとはいえ、このような先達が自民党に存在した歴史を、とくにポスト小泉を担う人たちには銘記してほしい。

 
 
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  • オバマ訪中と小沢訪中 (2010年1月25日号)
    久保 孝雄 神奈川県日中友好協会会長、アジアサイエンスパーク協会名誉会長
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