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「日本と中国」
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中国・哈日族(ハリズー)の嘆き

信太 謙三 東洋大社会学部教授

国で日系ファッション雑誌が売れている。何もいまに始まったことではないが、東京発のファッションが多くの中国人女性たちに支持され、根強い人気を誇っているということでもある。
  中国で出版されている日系ファッション雑誌は現在、主婦の友社の「瑞麗服飾美容」(「Ray」)と「瑞麗伊人風尚」(「ef」)、講談社の「秀」(「with」)と「マ薇」(「ViVi」)、「今日風采」(「Oggi」小学館)、などで、関係者によると、「瑞麗服飾美容」の発行部数は68万部、「瑞麗服飾美容」と「瑞麗伊人風尚」は現在、中国のファッション雑誌シェアで1、2位を占めているそうだ。
 これらの日系ファッション雑誌はいずれも版権を買い取る形で出版されている。すべて日本の雑誌と同じというわけではなく、中国の事情に合わせて内容が変更されており、写真や記事などの6割以上は中国側が制作しているという。しかし、欧米系の「世界時装之苑」(ELLE)や「時尚」(COSMOPOLITAN)などとの激しい競争の中で、日系ファッション雑誌の活躍はうれしい。

本のファッションが中国の女性たちに受けいれられている最も大きな理由はお互いがアジア人で、体型が似ており、髪や肌の色も同じであるため、よく似合うからだ。日中はまさに一衣帯水。文化的にも関係が深く、交流の歴史も長い。
台湾には日本のファッション、歌手、漫画やアニメなどを好む若者たちが大勢おり、彼や彼女らを「哈日族(ハリズー)」と呼ぶ。が、中国にも、やはり、「哈日族」と呼ぶことができるような若者たちがいる。国際化が急速に進む中にあって、洋の東西を問わず、若者たちは海外の文化に非常に敏感に反応し、それらを大胆に取り入れ、自分らしさを表現するようになってきているためだ。
 

「愛美之心、人皆有之」−。女性が美しくありたいと思う気持ちはいずこも同じ。中国の女性たちが東京発のファッションをどんどん取り入れて美しくなっていくのは、中国の男性にとっても、いいことであるはずだ。
 だが、先日、中国から戻った友人が「中国の哈日族と呼ばれる若者たちの居場所がどんどんなくなっている」と嘆いた。日中の政治関係がうまくいっておらず、反日機運が高まる中で、批判の対象になることを恐れるからだという。日本でも中国でも、日中友好は冬の時代?お隣さんと仲良くする、美しいものを美しいという庶民の健全な感覚と寛容さがいまほど求められているときはない。

 
 
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